みなさんこんにちは! 観光情報サイト「旅狼どっとこむ」の旅狼かいとです!
今回ご紹介するのは、嵯峨野・嵐山の中心地である「渡月橋」です!
古くは和歌に、現代でも数々の名曲に歌われる嵐山のシンボル。橋の下を流れる大堰川と後ろにそびえる嵐山や小倉山との風景は、京都だけでなく日本でも随一の見応えを誇っています。
京都・関西に行ったら一度は絶対にいきたい“平安からの名所”である渡月橋の魅力を、この記事では!嵐山に行こうか迷っているあなた、京都へ観光して行き先を考え中というあなたに特にオススメの記事となっていますよ!
嵐山について
まずは渡月橋が架かるエリア「嵐山」について簡単にご紹介します。
そもそも厳密に「嵐山」というと渡月橋の西側にそびえ立つ山を指し、観光地として「嵐山」と呼ばれる地区は「嵯峨」や「嵯峨野」という名前が付いています。
ただ今日において「嵐山」と呼ぶと、「渡月橋周辺」と解釈するのが一般的。基本的には「嵐電」こと京福電気鉄道の「嵐山駅」からアクセスできる観光地一体を指しますが、少し遠めにある車折神社や松尾大社、大覚寺まで含まれることが多いです。
そんな嵐山エリアこと嵯峨野は平安時代に貴族の別荘地とされた歴史があり、その影響もあってか、美しい嵐山を題材として多くの詩や和歌が詠まれています。
もちろん、日本でも随一と言えるその素晴らしい景観は現代でも健在で、「日本さくら名所100選」や「日本紅葉の名所100選」に選ばれているように、春は桜の、秋は紅葉の名所として特に有名ですね!
渡月橋の歴史
お次は渡月橋の歴史をご紹介します。
桂川の歴史
渡月橋が架けられた理由に絡むのが、橋の下を流れる桂川の存在です。
古くは「葛野川(かどのがわ)」と呼ばれていた桂川は、氾濫が多い川として知られていました。そのため、5世紀以降に嵯峨や松尾の地に入植した秦氏は、桂川に「葛野大堰(かどののおおい)」を築くことで流域を開発していたとされています。
葛野大堰は水の流れを弱めるための堰(せき)であり、この名残は今でも渡月橋から見ることができます。(渡月橋から山側を見ると、水が段でずれているようになっている場所があります!)
また、この葛野大堰の名前から嵐山では桂川が「大堰川(おおいかわ)」と呼ばれていると考えられています。
そんな桂川は、平安京が造営されると木材運搬のために使われるようになります。この木材事業の一環として、川に橋が架けられるようになったとされているのです。
渡月橋が架けられた理由
渡月橋は、平安初期の承和年間(834年〜848年)に僧「道昌」が架橋したのが最初といわれています。道昌は空海の弟子であり、渡月橋の南に佇む「法輪寺」で修行をし、法輪寺を中興した僧侶です。
道昌は、当時「葛井寺(かづのいでら)」と呼ばれていた法輪寺だけでなく、近くを流れる桂川(大堰川)も勅願によって修築。その際に「法輪寺橋」を架けました。これが渡月橋の大元となった橋なのです。
川の整備を天皇の命令である勅願によって行うというのは、それだけ桂川が事業的に重要だったということもわかりますよね!
渡月橋の名前の由来
平安時代、貴族や皇族の別荘地となった嵯峨・嵐山・小倉山の一帯。
1200年代後半、亀山上皇が法輪寺橋の上空を移動していく月を眺めながら「くまなき月の渡るに似る」と感想を述べたことから、「渡月橋」と呼ばれることになったと言われています。
法輪寺について
ちなみに、渡月橋が架けられたきっかけと言ってもよい「法輪寺」は、「十三まいり」や「電電宮」で知られるお寺です。
特に十三まいりは法輪寺の名物となっており、平安時代初期に幼くして帝位に就くことになった「清和天皇」が数え年十三歳になった際、成人の証として法輪寺で勅願法要を催したことがきっかけで始まったとされています。
この逸話から十三まいりは、智恵と福徳の仏様である本尊の虚空蔵菩薩に、数え年で十三歳の男女が漢字一字を写経して奉納することで、立派な大人になるための知恵を授けていただき、幸福な人生を送ることができるように祈願するものになっています。
タイミングが合えばぜひ立ち寄りたい、渡月橋周辺の隠れた穴場的観光名所と言えますね!
法輪寺の十三詣りについて
【参詣期間】
春:3月13日〜5月13日(4月13日を中日とした1ヶ月間)
秋:10月〜11月
【受付時間】
9:00〜16:00
※祈祷のための予約等は必要ない
橋としての渡月橋
現在の渡月橋が架けられたのは昭和9年(1934年)で、全長は155m、幅は11.2mあります。京都府道29号線の一部となっており、大型観光バスや自動車も多く往来する道路となっています。
そんな渡月橋、一見すると橋のすべてが木造のように見えますが、欄干と橋桁隠しの部分以外はすべて鉄筋コンクリートで造られています(冷静に強度を考えれば当然ですよね笑)。
とはいえ、あえて橋の一部に木造を残し、橋脚と橋桁は間隔を10mごとにしつつ細く作ることで、かつての木造の面影を感じられるようにしているとのこと。これによって、なるべく嵐山との景観や風情が損なわれないように工夫されているそうですよ!
また、橋の上流側には「流木止め」と呼ばれる7本のコンクリート製の杭が打たれています。これによって濁流で流れてくる大木や岩をせき止めて脚橋への衝撃を和らげ、橋へのダメージを最小限にする設計になっているようです!
渡月橋の下を流れるのは何川なの?
実は渡月橋、「大堰川(おおいがわ)に架かる橋」とも「桂川に架かる橋」とも紹介されています。
その理由は、渡月橋の下を流れる川が、「渡月橋を境にして”上流が大堰川”と呼ばれ、”下流が桂川”と呼ばれるから」なのです!
行政上は「桂川」で統一されているようなのですが、橋をまたいで川の呼称が変わるというのはなんともおもしろいお話です。
保津川下りで知られる保津峡周辺では「保津川」と呼ばれていますから、渡月橋や桂川が昔から文化に影響を与えていた存在であることが垣間見えるエピソードですよね!
渡月橋はなぜ有名なの?
嵐山エリア随一の観光名所・フォトスポットである渡月橋。
嵐山が観光地として人気の理由は、もちろん、四季折々の嵐山の風景を楽しんだり川縁でのんびりぶらぶらするだけでも風情を感じられたりできるのが魅力的だから、というのがあるのでしょうが、、
やはりアニメ『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』の主題歌中で登場したことが、当時の若者の間でも地名度がググッと上がったことに繋がったのは間違いないでしょう! 倉木麻衣さんの『渡月橋~君 想ふ~』、京都の雰囲気を存分に感じられる歌ですからね!
渡月橋の怖い(?)話
渡月橋には「渡り終えるまで、後ろを振り返ってはいけない」という言い伝えが存在すると言います。
実際、「渡月橋」とググると「怖い話」や「あの世」なんてキーワードと出てきますが、、幸か不幸か渡月橋ではそういった怖い系の話は聞きません。
渡月橋で振り返ってはいけないのは、上述の法輪寺に参拝し知恵を授けてもらう祈祷をした帰り道でのみ。橋を渡り切る前に後ろを振り向いてしまうと、虚空蔵菩薩から授かった知恵が舞い戻ってしまうと言われているのです。
渡月橋でのお話はこれくらいなので、それほど気にする必要はなさそうですね!
👉橋にまつわる怖い話を知りたい方は、晴明神社と一条戻橋がオススメ!
渡月橋ライトアップについて
渡月橋は、毎年冬に行われる「京都・嵐山花灯路」の期間で夜間ライトアップが行われていました。例年12月中旬に開催され、嵐山のもう一つのシンボルと言える「竹林の小径」も合わせてライトアップされていたのですが、、
残念ながら、2021年を最後にライトアップの開催は終了しています。
理由は定かではありませんが、コロナ禍による来客の減少等が理由なら今後再び開催される可能性はありますからね!復活することを願っていましょう!
ちなみに、渡月橋からすぐのところにある「キモノフォレスト」は通年ライトアップされており、嵐山の各寺社仏閣は、秋の紅葉の時期を中心にそれぞれでライトアップを行なっています。
(参考)2021年の開催概要
【開催期間】
12月10日(金)〜19日(日)
【実施時間】
17:00〜20:30
※2021年の情報は11月初旬に発表されています
渡月橋の観光地情報
最後に、渡月橋のアクセスや紅葉・桜の見頃についてご紹介します。
桜の見頃
3月下旬~4月上旬
桂川沿いにソメイヨシノ、山の中腹をにヤマザクラを見ることができます。また、嵐電嵐山駅から渡月橋を渡った先にある「中之島公園」では枝垂れ桜のライトアップも行われ、夜桜の名所としても知られていますよ!
紅葉の見頃
色づき始め:11月中旬
見頃:11月下旬~12月上旬
小倉山や嵐山は和歌にも詠まれている古くからの紅葉の名所。特に小倉山には、百人一首を編纂した「藤原定家」の別荘「時雨亭」があったと考えられている寺社仏閣がいくつかあり、京都でも随一の紅葉スポットとなっていますね!
オススメの観光時間
早朝(8:00前後)
お店が開いていないのでまだ食べ歩きなどはできませんが、ピーク時の渡月橋は人でいっぱいになります。
人の少ない時間帯で写真を撮ったり落ち着いてゆっくりと雰囲気を楽しみたい方は、午前中のさらに前、朝の時間に訪問し、ここからお寺などを巡り始めると良いでしょう。
アクセス
〒616-8385
京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町1-5
・嵐電(京福電気鉄道嵐山本線) 「嵐山駅」から徒歩2分
・JR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」から徒歩15分
・阪急嵐山線「阪急嵐山駅」から徒歩4分
渡月橋周辺・嵐山の駐車場はコチラのキモノフォレストの記事でご案内しています。
渡月橋 まとめ
ということで今回は、嵐山・嵯峨野エリアのシンボルである「渡月橋」をご紹介してきました!
たくさんの観光名所が立ち並ぶ京都中心部とは一味違う豊かな自然と情緒あふれる古い街並みが融合する嵐山は、まさに風光明媚な景色が目白押し。そんな嵐山を体現するのが風情ある渡月橋の風景です。
見どころをまわった後にのんびりと川縁で川の音に耳を傾けるのも、渡月橋ならではの乙な過ごし方。ぜひ京都観光を計画する際は、渡月橋と嵐山へも足を運んでみてください! 旅行の思い出の1ページにしっかりと刻まれること間違いなしですよ!
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