【輪廻転生】六道輪廻図とは? 地獄道などの六道・三毒・十二因縁をわかりやすく徹底解説!

六道輪廻図と輪廻転生とは? 英語で言うと?天道・人間道・修羅道・餓鬼道・畜生道・地獄道の六道、三毒、十二因縁をわかりやすく徹底解説!

みなさんこんにちは! 旅行観光情報サイト「旅狼どっとこむ」の旅狼かいとです!

今回は、仏教における「六道輪廻」を「六道輪廻図」に沿って詳しくわかりやすく解説していきます!

六道輪廻とは、死後、天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道の6つの世界に輪廻転生するという考え方で、アニメやマンガでもよくフィーチャーされますよね!

そんな六道輪廻について、6つの各世界についてはもちろん、関連する「三毒」や「十二因縁(十二縁起)」についても解説していきます。これを知れば、仏教のことについての理解が深まることはもちろん、国内旅行・海外旅行問わず、観光もさらに面白く興味深くなること間違いなしです! ぜひ参考にしてみてくださいね!


目次

六道輪廻とは?

六道輪廻図と輪廻転生とは? 天道・人間道・修羅道・餓鬼道・畜生道・地獄道の六道、三毒、十二因縁

まずは六道輪廻とは何か、という根本的なところから簡単にお話ししてきます。

「過去・現在・未来へと生まれ変わっては死んでいく」このことを一つの大きな輪が回るように例えたものを「輪廻転生と呼び、「輪廻転生は6つの世界で生死と転生を繰り返す」ということを「六道輪廻と呼びます。そして、これら6つの迷いの世界から悟りの世界へ抜け出ることを「解脱」や「涅槃といいます。仏教やヒンドゥー教など、多くのインド生まれの宗教がこの考え方を持っており、輪廻転生の輪から抜ける解脱を目指します。

「輪廻」という言葉は、サンスクリット語でもともと「さまようこと、歩き回ること」を意味する「サンサーラ(संसार Saṃsāra)」という言葉に由来します。そこから「サンサーラ」という言葉は「生まれ変わること」を意味するようになり、さらに派生して「世界(周期的な変化)」という意味ももつと言われています。

そんな六道の世界を表現した絵「六道輪廻図においては、六道が描かれた世界を「閻魔」が齧っています。これは、「死後、生前の行い(業)によって生まれ変わる世界を決める”閻魔”こそが、運命を握っている」ということを表現しています。また、6つ世界それぞれに仏様(観音菩薩や地蔵菩薩)がいるのが特徴です。

六道輪廻を英語で表現すると?

仏教用語を英語で表現する際はなかなか難しいものがありますが、基本的に「輪廻転生」は一言で”reincarnation”と言われることが多い印象です。reincarnationは「生まれ変わり」を意味する言葉です。

一方、「六道」は ”Six Paths” ”Six Classes of Beings” ”Six Realms”などと表現され、言われ方が多く存在している印象です。 “path”は「道」を、”being”は「存在」を、”realm”は「王国」や「領域」を意味する言葉で、それもそこからの連想で「世界」という意味を表現している印象です。 ”world”とは違うニュアンスを表しているというわけですね。『ナルト』における「六道仙人モード」は”Sage of Six Paths Mode”と訳されているので、”Six Paths” が最も一般的な表現方法なのかと思います。

なお、六道輪廻と言いたい場合は、六道に「輪廻」を意味するように”endless circle of”や”wheel of”を頭につけると大体通じるはずです。 ”endless circle of six classes of beings” “wheel of six paths” というかんじ。


それではここから今回の本題、六道輪廻図に描かれている内容に沿ってより具体的にお話ししていきます!

天道(天上道、天界道)

天道は、神々や神霊、天人などが住む世界です。

人間では味わうことができない歓楽や人間は持つことができない超能力(例えば、空を飛ぶことができたり)などが存在する場所ですが、欲を捨てきれておらず、悟りの世界ではありません


人間道

人間道は、人間が住む世界、我々が生きるこの世界です。

四苦八苦に悩まされますが、自力で仏教に出会える、解脱し仏になれるという救いがある世界です。


修羅道(阿修羅道)

修羅道は、阿修羅が住まう世界です。「阿修羅」というのは、もともとインド神話において神々と戦う存在だった「アスラ」であり、仏教においては「戦いの鬼神」とされています。

そんな阿修羅がいるこの修羅道では終始戦い争いあっており、怒りや憎しみ、怨みが絶えません。しかし、この苦しみは自らに帰結するところが大きいとされ、だからこそまだ救いようがあるとも考えられています。


畜生道

畜生道は、牛や馬、鳥や獣、さらには虫といった畜生の世界です。

ほとんど本能で生きており、弱肉強食の世界とされています。そして最後は、苦しみを受けて死ぬと言われています。


餓鬼道

餓鬼道は、餓鬼たちの世界です。

「餓鬼」とは「腹が膨れた鬼」のことで、常に飢えと渇きに苦しんでいます。しかし、食べ物や飲み物を手に取ったり口に入れようとすると火に変わって燃えてしまうため、食べることができません。決して満たされることのない飢えに苦しみ続ける世界です。


地獄道

地獄道は、罪人にその罪を償わせるための世界であり、六道の中で最も苦しみが多い世界です。 一般的に地獄と言われる地下世界と同じものを指し、日本語だと「奈落」とも言い換えられます。

地獄で罰を受ける「罪」は、現代でいう法律などを破ることで負う罪ではなく、仏教の教えにおける罪を指します。釈迦が示したとされる仏教徒が守べき基本的な5つの戒めを「五戒」といい、これを破った者が地獄に落とされるのです。

五戒
・不殺生戒(ふせっしょうかい):故意に殺生(生き物を殺すこと)をしてはならない。
・不偸盗戒(ふちゅうとうかい):盗みをはたらいてはいけない。
・ 不邪淫戒(ふじゃいんかい):不貞行為(不倫、不道徳な性行為)を行ってはいけない。
・不妄語戒(ふもうごかい):妄言(嘘)を吐いてはいけない。
・不飲酒戒(ふおんじゅかい):飲酒をしてはいけない。

また、仏教における地獄はさらに8つの階層に分かれており、これを八大地獄(八熱地獄)と呼びます。犯した罪の種類や数によって、地獄の中でもさらに送られる先が分かれるのです。

八大地獄(八熱地獄)
・等活地獄(とうかつじごく)
・黒縄地獄(こくじょうじごく)
・衆合地獄(しゅうごうじごく)
・叫喚地獄(きょうかんじごく)
・大叫喚地獄(だいきょうかんじごく)
・焦熱地獄(しょうねつじごく)
・大焦熱地獄(だいしょうねつじごく)
・阿鼻地獄(あびじごく)(無間地獄(むけんじごく))
※この並びの順に下に行くにつれてより苦しい地獄となります。


地獄道についてさらに詳しく知りたい方は、コチラの本がオススメです!


三善趣と三悪趣

なお、円で描かれる六道輪廻図におけける、上半分の天道、人間道、修羅道の三世界を「三善趣(三善道)と、下半分の畜生道、餓鬼道、地獄道の三世界を「三悪趣(三悪道)とそれぞれ呼びます。

輪廻図の中央部分には、三善道へ昇っていく者たちと、三悪道へ堕ちていく者たちが描かれています。

※六道は、死後、生前の行いによって”趣き住む”場所であることから六趣(ろくしゅ)」とも呼ばれます。三善”趣”、三悪”趣”という呼び方は、この六趣が由来となっています。


三毒(円の中心部)

仏教には、解脱するために克服するべき根本的な3つの煩悩」と考えられている「三毒があります。煩悩を毒に例えたことから、三毒と呼ばれているとされています。

三毒は具体的に「貪瞋痴(とんじんち)」と表現され、それぞれ

欲:欲望、強欲、必要以上に貪り求める心
恚(しんい):怒り、憎しみの心
・愚(ぐち):無知、愚かさ

の文字をとったものとなります。

そして、六道輪廻図の中央には、この三毒を象徴する動物が描かれています。それぞれ、

貪欲(貪)
怒り(瞋)
愚かさ(痴)

を象徴しています。


十二因縁(十二縁起、六道の周りの12の絵)

六道輪廻図を縁取るように描かれている絵があります。

これは、生と死、生きている上での苦しみと喜びがいかにして生じ、持続し、そして終わるかを示す因果の法則を表現しています。この因果は、十二の段階が互いに連結して循環していると考えられていることから、十二因縁十二縁起)」と呼ばれます。

※この十二縁起については非常に多くの解釈があるそうで、本気で理解しようとしたらかなりの勉強量が必要だそうです。ここではそのいくつかを自分なりにまとめてご紹介させていただきました。「そういうものもあるのか〜」程度に思っていただけると幸いです!笑

無明(むみょう)

無明とは、すべてに明るくない、すなわち無知を表現しています。そして無知とは、迷いの根本、煩悩の根本であるとされています。一番初めにあるこの無明(無知)こそが、すべての苦悩の根本的な原因である、ということを表現しているとされています。

行(ぎょう)

は、「無明」が元で起こる”無意識”の行動を意味します。

識(しき)

「行」を幾度となく繰り返すうちに生まれる「外界を認識する力」のことです。この段階では、まだはっきりした「意識」があるわけではありません。

名色(みょうしき)

」が少しずつ成長してくると、「名色」というものがはっきりしてきます。

」は「無形のもの」を意味し、「」のことを指します。対して」は「有形のもの」を意味し、「身体」のことを指します。この二つの言葉が合わさった「名色」というのは、身体の形が整ってきて、自分の存在を意識するようになることを表現しています。

人間の一生でいうと、「識」は「受胎したその瞬間」、「名色」は「母の胎内で成長してきた胎児」のような段階です。

六入(ろくにゅう) / 六処(ろくしょ)

心と身体を認識し、「自分」という存在に対する意識がだんだんと発達してくると、心身の6つのはたらきがはっきりしてきます。すなわち、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感の感覚と、その五感で感じたものの存在を知り分ける意識です。

この6つの感覚のはたらきのことを、あるいは、6つの感覚に関わる目、耳、鼻、舌、身、意の6つの感覚器官を、「六入(ろくにゅう)」または「六処(ろくしょ)」といいます。

今まさに、母の胎内から外へ出ようとする瞬間というイメージです。

触(そく)

はこの文字の通り、「六入」、すなわち6つの感覚器官に外界のものが触れ、外界を知ることを表現します。

今まさに母の胎内から外へ出てきた、というイメージです。

受(じゅ)

六入によって触れることで外界を知り、外界についてを受け入れることで何かを感じることを「と表現します。「感受する」という言葉で表現されることが多い段階です。

好きと嫌い、嬉しいと悲しい、といった感情が初めて登場する段階であり、「心の高等なはたらき」としても最初の段階になります。

愛(あい)

感情が生まれるとその先にあるのは、「執着」や「渇愛」です。好きなことや嬉しいことには「愛着」が湧いていきますが、それが次第に執着へと繋がっていきます。逆に、嫌いなこと、苦しいことは避けるようになっていきます。

この段階を十二因縁ではと呼びます。このあたりから次第に、人間らしい姿がみえてきます。

取(しゅ)

「愛」がさらに進んだ段階がです。

愛着は執着や渇愛へと変化し、さらにそれは「貪欲」へと繋がっていきます。また、嫌いやことや苦しいことから逃げ出したいという思いも強くなっていきます。

自分の欲望に、より固執するようになった段階です。

有(う)

「取」の状態が進むと、やがて人は「差別」をするようになります。この人が好き、この人が嫌い、これが楽しい、これが嫌、という状態です。そしてこの差別は、すべての人がまったく同じになるわけではありません。自分はAさんが好きだったとしても、BさんがAさんを好きとは限りません。自分は甘いものが好きでも、Cさんは辛いものが好きかもしれません。

このように、ある一つの物事に異なる価値観をそれぞれが持つことを知ると、自分と他人を区別する意識が芽生えます。これこそがの段階、すなわち、「自分」という存在がより強固になっていくイメージです。

なお、仏教においては「自分への意識が強くなるほど、相対的に他人への思いやりが減っていく」とも認識されるようで、そのため、「悟りを開くために克服すべき因果」として十二因縁に上がっているだと考えられます。

生(しょう)

ここまでの「無明」〜「有」の10の因果によって、「人間」が形づくられる、すなわちの段階となります。

老死(ろうし)

「人は生まれた瞬間から死に向かっている」とはよく言ったものですが、十二縁起においても、生の後にやってくる最後の因果が「老いと死」、すなわち「老死となります。

十二因縁(十二縁起)をもうちょっと詳しく解説

この十二因縁は、「私たちの喜びや苦悩は、独立した断片的な出来事ではなく、さまざまな要因や条件が互いに結びついている」という考え方がもとにあり、この十二因縁が順に巡るとされています。

すなわち、「無明」があるから「行」がある、「生」があるから「老死」がある、といった具合です。逆に、「無明」がなければ「行」もなく、「生」がなければ「老死」もないとも考えることができます。前の因縁(因果)が次の因縁の原因になっている、ということですね。

そして仏教においては、この十二の因果こそが現世における苦しみの根本的な原因であり、悟りを開くためには「無明」から順に滅し、最後に生老病死という苦から解脱することを目指しています。。釈迦はこの十二因縁を滅したことで、悟りの境地に至ったとされているのです。


六道輪廻図を徹底解説! 最後に

ということで今回は、六道輪廻についてまとめてきました。みなさんにとって、わかりやすく解説できていれば嬉しく思います。

マンガやアニメから入った場合でも、天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道の六道についてはもちろん、三毒や十二因縁についてまで知ると、六道輪廻についての理解が深みを増し、さらに面白くかんじませんか?

日本や中国、インドでは「六道絵」として六道輪廻における地獄道や餓鬼道が描かれていますし、チベットやインドのラダック、ネパールやブータンなどのチベット密教圏では、多くの僧院に六道輪廻図が描かれています。実際の仏教の世界ではどのように描かれているのかを知ると、さらに興味が惹かれるはずです! ぜひまたこの記事をご覧いただき、参考にしてみてくださいね!


あわせて読みたい
マントラ?タルチョ?鳥葬?チベット密教の信仰方法の種類・特徴のまとめ!旅行・観光にもオススメ! 今回は、タルチョやルンタ、マントラやマニ車、鳥葬など、インドのラダックやネパール、ブータンなどで信仰されているチベット密教の信仰方法を詳しくわかりやすく簡単にお届け!英語の呼び方も紹介しますので、旅行や観光時にもオススメです!


六道輪廻図と輪廻転生とは? 英語で言うと?天道・人間道・修羅道・餓鬼道・畜生道・地獄道の六道、三毒、十二因縁をわかりやすく徹底解説!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

この記事が良かったらみんなにも共有してね!
  • URLをコピーしました!

この記事へのコメントはこちらから!

コメントする

目次