みなさんこんにちは! 世界・日本の観光地や旅行情報、歴史や雑学をご紹介している旅狼かいとです。
京都、そして日本の国内旅行において「清水寺」を抜きにして語ることはできませんよね。しかし、清水寺そのものはあまりに有名なのに対し、その歴史や見どころは意外と知られていないような気がします。
ということで今回の記事では、京都観光をする際に絶対にチェックしておきたい清水寺の見どころや歴史、ご利益といった魅力はもちろん、桜や紅葉といった季節のライトアップや拝観料、営業時間、アクセスといった観光をする上での便利な情報まで、できる限り簡単にわかりやすくご紹介していきます。デートや女子旅、中学生・高校生の修学旅行の際にも使えるよう書いたつもりですので、ぜひ最後まで参考にしてみてください!
清水寺の歴史
まずは、知っておくとさらに清水寺観光が面白くなること間違いなしの清水寺の歴史からご紹介します。
創建伝説 ~坂上田村麻呂と清水寺の建立~
京都でも数少ない、平安京遷都以前からの歴史をもつ清水寺。お寺の始まりは『続群書類従』という書物に記されています。
奈良のとあるところに、日々修行に励む「賢心」という僧がいました。ある日、賢心の夢に白衣の老翁があらわれ「北へ清泉を求めて行け」と告げます。
目が覚めた賢心はお告げに従い、北へとひたすら歩いていきました。すると、金色の水流を見つけます。そこから水流を水源の方へたどっていくと、京都の音羽山にたどり着きました。そこには清らかな水が湧き出る滝が流れていました。
美しい滝を眺めていると、賢心の前に滝のほとりで修行をする「行叡居士」が姿を現しました。200歳になるという行叡居士は、観音様の力を込めたという霊木を賢心に授け、
「あなたが来るのを待ち続けていた。どうかこの霊木で千手観音像を彫刻し、この観音霊地を守ってくれ」
と言い残し、姿を消してしまいます。
賢心は「行叡居士は観音の化身だ」と悟り、その後、音羽山の草庵と観音霊地を守り続けたのでした。
そしてある日、のちに征夷大将軍となる「坂上田村麻呂」が鹿を捕まえようと音羽山に入ったところ、音羽の滝で草庵と観音霊地を守る賢心と出会います。その際、田村麻呂は賢心の教えに深く感銘を受け、後日その場所に寺院を建立しました。この寺院こそが「清水寺」であり、その名は「音羽の滝の清らかさ」にちなんで付けられたといいます。
坂上田村麻呂はその後、征夷大将軍に任ぜられ東国の蝦夷平定を命じられます。戦の前、田村麻呂は自身が建立した清水寺に平定の成功を願って参拝しました。すると戦いの最中、観音の使者である毘沙門天と地蔵菩薩が若武者と老僧の姿となって援護に現れたのです。この加勢によって戦いに勝利した田村麻呂は、京都に凱旋すると賢心と協力して本堂を大規模に改築。観音像の脇侍として地蔵菩薩と毘沙門天の像を造り、ともに祀ったといいます。
平安時代に入ると、嵯峨天皇から公認の寺院とされた清水寺。平安中期には観音霊場として多くの人々から信仰を集めたことが、『枕草子』や『源氏物語』、『今昔物語集』などの物語・随筆からうかがい知ることもできます。
平安時代以降の清水寺
平安時代以降、長らく法相宗の寺院として奈良の興福寺の支配下にあった清水寺。当時の興福寺は京都・奈良の宗教界において極めて強い力を持っており、勢力を二分していた「延暦寺」と武力衝突することもありました。この「南都北嶺」と呼ばれる争いに巻き込まれた際や、京都全土が戦火に呑まれた応仁の乱の際など、清水寺は記録に残るだけで計9回もの焼失を繰り返しています。
応仁の乱によって焼失した際は、南禅寺の仏殿なども再建している「願阿弥」を向かい入れました。願阿弥は伽藍だけでなく、清水五条の街並みや橋の再建、貧困にあえぐ人々の救済にも従事し、今日の清水寺の姿を形作る礎を築いたとされています。
その後、豊臣秀吉や江戸幕府からも寺領を与えられた清水寺。現在の本堂は、江戸幕府3代目将軍「徳川家光」からの寄進によって再建されたものになります。
近世・近代の清水寺
近世に入ると「三職六坊」と呼ばれる組織によって運営されてきた清水寺。近代に入った1965年(昭和40年)に「大西良慶」が清水寺の住職に就任すると、法相宗から独立して北法相宗を開宗します。
以降清水寺は「北法相宗の大本山」を名乗り、大西良慶は満107歳で没するまでの70年近く清水寺住職を務めました。良慶は清水寺を北法相宗大本山として定着させる活動以外にも、仏教を通じた国際交流や平和運動、文化活動などにも尽力し、「清水寺の中興の祖」とされています。
今では清水寺は、観音霊地の1つとして「西国三十三所」の16番目の札所とされており、1994年には「古都京都の文化財」の構成資産として、ユネスコの世界遺産にも登録されました。
清水寺の見どころ
ではここから、清水寺観光の際には絶対に行っておきたい見どころをご紹介していきます! 見どころそれぞれの注目ポイントや豆知識も書きましたので、清水寺に行った際はそのあたりも気にしつつ観光するとより旅行の面白味が増すかと思います!
本堂(清水の舞台)
清水寺といえば、本尊の千手観音菩薩が祀られている「本殿」とそこから張り出した「清水の舞台」がシンボルですよね! 約400枚の檜板によって造られている舞台の高さは約13メートルもあり、これはなんと4階建てのビルに相当します。
では、なぜ清水寺の本堂はこんな高さになったのでしょう?
それは、清水寺の本堂が音羽山の急峻な崖に建てられているからです。本来はこのような崖に建物を建てるのはかなり難しいのですが、それを可能にしているのが「懸造り」と「継ぎ手」という日本古来の伝統工法なのです!
日本の伝統工法 「懸造り」と「継ぎ手」
「懸造り」とは、木材を格子状に組むことで組まれた木材同士が支え合い、建築が困難な崖などでも耐震性の高い構造をつくることができる建築技法です。建物を張り出して建てることを「懸け造る」と呼ぶことに由来しており、傾斜や段差に建物を建てる際によく用いられた建築法なのです。かつては「懸崖造」や「崖造」とも呼ばれていたそうですよ。
加えて、清水寺の懸造りでは「継ぎ手」という「木材同士を巧みに組み合わせて建築物を構築する」という手法も用いられており、なんと釘を1本も使用していないのです!
崖に建てるための「懸造り」と、木の素材としての特徴をそのまま活かした「継ぎ手」が使われているということで、清水寺はまさに山がちな日本ならではの伝統技術を結集させた傑作とも言えるのです! 実際、世界文化遺産に登録された要因の一つとして「建築様式や建築技術の発展」が認められています。世界的に見ても、日本の古来からの技術は素晴らしいものなのですね!
清水の舞台の役割
そんな日本の伝統工法で建てられている清水の舞台。現在はここから眺める景色そのものが見どころとなっていますが、元々は舞台から見える景色を背景にして本堂に祀られている観音さまに芸能を奉納する場所でした。ですので古くからこの場所では、雅楽や能、狂言や歌舞伎といった日本の伝統芸能が演じられてきたのです。今でも特別な法会の際には、舞台奉納が行われているそうですよ!
ことわざにもなっている名所の中の名所
今では、「晴れの場所に登場すること」を「桧舞台を踏む」、「決死の覚悟で物事を実行すること」を「清水の舞台から飛び降りる」と表現するように、諺にも使われいている清水の舞台。清水寺のみならず、京都観光をはじめとする日本の国内旅行でも屈指の見どころと言えますね!
ちなみに、清水寺塔頭成就院に残る『成就院日記』の記録によると、元禄7年(1694年)から元治元年(1864年)の間に「清水の舞台から飛び降りる」を実際に行った人が235件あったそうなのですが、生存率は85.4%だったそう。ビル4階に相当すると考えると、脅威の生存率と言えますよね。笑
音羽の滝(瀧)
清水寺と並び名物となっているのが「音羽の滝」ですね!(公式サイトでは「瀧」という表記になっています。)
清水寺開創の起源となった場所であり、「清水寺」の名前の由来となった滝です。滝の奥には本尊の不動明王が祀られており、流れ出る清らかな水は「金色水」や「延命水」とも呼ばれます。
「落ちてくる水を長い柄杓で汲み、願い事をしながら一口いただくことで願いが叶う」とされている音羽の滝。清水寺におけるパワースポットとして知られていますが、実は3筋に分かれて落ちる清水から得られるご利益はそれぞれ異なると言われています!
滝に向かって右側の滝で得られるのが「延命長寿」のご利益、真ん中から得られるのが「恋愛成就」や「縁結び」のご利益、そして左の滝からは「学業成就」のご利益がいただけると言います。
一度の参拝で得られるご利益は一つだけとのことなので、その時にあやかりたいご利益の滝で願いを祈りましょう!
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奥の院
「音羽の滝」の真上に建っている建物が、清水寺の「奥の院」になります。
現在の奥の院は本堂と同時期の1633年に再建されたもので、2017年に修復が完了しました。本堂と同様に懸造りで造られているのが特徴です。
子安塔
本堂の舞台からも見える三重塔は「子安塔」と名付けられています。聖武天皇と光明皇后の祈願所と伝えられており、檜皮葺となっている内部には子安観音(千手観音)が祀られています。
その名の通り「安産祈願」のパワースポットとして、古くから信仰を集めています。
仁王門
清水寺の正門である「仁王門」。応仁の乱の際に焼失したものの16世紀初めに再建、現在の仁王門は2003年に解体修理されたものになります。丹塗りの堂々たる楼門は再建当時の特徴を色濃く残しており、訪問者を迎え入れてくれます。
西門
仁王門をくぐると右手に見えるのが「西門」です。
西門は古くから、ここから見る「日の入りの風景」が素晴らしいと名所になっており、極楽浄土への入り口の門として考えられてきました。そのため、西に沈む太陽に向かって浄土を想いながら心をしずめ、深く考えに耽る「日想観」の聖所とされています。
鐘楼
清水寺の「鐘楼」は、1607年に現在の場所に移築・再建されました。華やかで粋を凝らした桃山建築様式となっているのが特徴で、牡丹彫刻の懸魚や菊花彫刻の蟇股、四隅の柱の先にある獏と象の木鼻などが見どころとなっています。
三重塔
西門の裏に聳えるのが「三重塔」です。創建は847年で、高さ約31メートルは日本最大級の三重塔になります。門前町からもよく見えたことから、古くから清水寺のシンボル的な存在となっています。
塔内には大日如来像が祀られており、四方の壁に真言八祖像が、天井と柱には密教仏画や飛天、龍などが極彩色で描かれています。
成就院庭園(月の庭)
通常時は非公開ですが、春の桜の時期と秋の紅葉の時期に合わせて特別公開されるのが「成就院庭園」になります。
※庭園内は撮影禁止となっています
成就院庭園の歴史
「月の庭」とも呼ばれる成就院庭園は、文明年間(1469~87)に清水寺本堂を再建した「願阿弥」によって清水寺の別庭として創建されました。
幕末には、僧侶の月照と信海のもとで江戸時代後期の公卿である「近衛忠熈」や薩長同盟を成立させ江戸城の無血開城の功労者の一人となった「西郷隆盛」が、この成就院で密談を交わしたとも伝えられています。
成就院庭園の見どころ
別称である「月の庭」の由来が、「心字池に映る月影の美しさ」であるとされている成就院庭園。ですが、成就院庭園の見どころは月の美しさだけではありません。
音羽山を借景とした池泉式庭園には、「烏帽子石」や「籬島石」といった多くの奇石や石造りの美術品が見られるのが特徴です。小さな石造美術とも言われる「手毬燈篭」や豊臣秀吉が寄進したとされる「誰が袖手水鉢」、西庭に置かれた「三角灯篭」などの石細工は、それぞれが多くの詩に詠まれた歴史を持つのです。
庭園そのものには、谷を挟んだ向かいの山腹に石燈篭を配置することで庭園が奥まで続いているように見せる工夫も施されており、実にさまざまな意匠が施さらた名庭となっているのです。
特別公開の際には、石の配置とその形の解釈、成就院庭園の特徴といった”見方”についての解説を聞きながら庭園を見ることができます。他の庭園を鑑賞する際にも使える情報が目白押しでしたので、時期があったらぜひ足を運んでみてください。より国内旅行を楽しむことができるようになること間違いなしですよ!
成就院庭園 2024年の公開時期
【ゴールデンウィーク時期】※2024年は終了5月3日(金) ~ 5月6日(月)
9:00~16:00(受付終了)
【紅葉の時期(例年曜日に関係なく同じ日付)】
11月18日(月) ~ 11月30日(土)
・9:00~16:00(受付終了)
・18:00~20:30(受付終了)
※どちらの期間も事前予約は不要です。
成就院庭園の拝観料
・大人(高校生以上):600円
・小中学生:300円
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清水寺の夜間特別拝観ライトアップ(2024年版)
清水寺は、京都が一段と観光客で賑わう「春の桜」「夏の最盛期」「秋の紅葉」の時期すべてで夜間ライトアップを行なっています。その際に放たれる一筋の青い光は「観音様の慈悲」を表現していることでも知られていますね!
夜桜ライトアップの開催時期(春)
3月23日(土) ~ 3月31日(日) ※2024年は終了
夏のお盆の開催時期
8月14日(水) 〜 8月16日(金) ※2024年は終了
※千日詣りの本堂内々陣特別拝観と合わせて行われ、毎年日付はこの3日間となります。
紅葉ライトアップの開催時期(秋)
11月18日(月) 〜 11月30日(土)
※例年、曜日に関わらず日付はこの期間となります。特に2024年は、12/1(日)はすでに終了していますのでご注意ください。
ライトアップ期間中の営業時間
ライトアップ期間中は、季節に関わらず閉門時間が21:30に延長されます(最終受付は21:00)
清水寺のライトアップはよくある昼夜入れ替え制ではないのが特徴で、夕方ごろから時間を気にすることなくずっといられるのが嬉しいポイントですね! もちろん、事前予約等も必要ありませんよ!
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清水寺での季節の行事
夜間ライトアップ以外にも、清水寺では季節の行事が行われます。ここではその代表格である「青龍会」と「千日詣り」をご紹介します。
青龍会
清水寺には「観音さまの化身である龍が音羽の滝に夜ごと飛来して水を飲む」という伝承があります。
そんな伝承から作られたという「青龍会」は、毎年の春2回と秋に、先頭に長さ約18メートルの青龍を掲げた一行が、地域守護と除災を祈願しながら境内と門前町を巡行する行事を催しています。
青龍会の開催日時
【日程】
毎年3月15日、4月3日、9月15日
【行道】
14:00頃 ~ 15:30ごろ
奥の院→音羽の瀧→西門→門前町→仁王門→本堂 の順
千日詣り
「千日詣り」は、「一日の参詣で千日分のご利益となる」という、観音信仰における最大の功徳日とされる一日のことです。期間中は本堂内々陣の特別拝観も合わせて行われており、夏の清水寺観光の名物となっています。
千日詣り(本堂内々陣特別拝観)の開催日時
毎年8月9日~16日(本堂内々陣特別拝観)
9:00~17:00(受付終了)
清水寺のの拝観情報・ライトアップ・見頃・アクセスなど
最後に、清水寺の営業時間や拝観料、アクセスについてご紹介します。
営業時間
【7月1日~8月31日】
6:00~18:30
【1月1日〜6月30日、9月1日~12月31日】
6:00~18:00
※夜間特別拝観(ライトアップ)が行われている時期は、閉門が21:30(最終受付は21:00)となる。
※お守り授与所、納経所(ご朱印)での授与は8:00頃から。
拝観料
・大人(高校生以上):500円
・小中学生:200円
※夜間特別拝観(ライトアップ)も同じ料金で、昼の時間に一度料金を払っていれば追加料金なしで参拝が可能です
桜の見頃
例年、3月下旬〜4月上旬
紅葉の見頃
・色づき始め:11月中旬
・見頃:11月下旬〜12月上旬
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アクセス・駐車場
〒605-0862
京都市東山区清水一丁目294
TEL: 075-551-1234
【電車・バス】
・京阪電鉄「清水五条駅」から徒歩25分
・市バス100・206番系統で「五条坂」下車後、徒歩10分
・京都バス18番系統(土日祝のみ運行)で「五条坂」下車後、徒歩10分
・市バス207番系統で「清水道」下車後、徒歩10分
・京阪バス83・85・87・88系統などで「清水道」または「五条坂」下車後、徒歩10分
【駐車場】
清水寺専用の駐車場はないので、自家用車の場合は付近のコインパーキングを利用する。
【自転車・駐輪場】
ちゃわん坂(清水寺の防災道路)の入り口から入ってすぐ右側のトイレ横に数台ぶんの駐輪スペースがある。ここ以外は駐輪と乗り入れは禁止。
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清水寺の観光地紹介 まとめ
今回は京都有数の観光名所「清水寺」についてご紹介してきました!
名前は誰もが知っているお寺だと思いますが、具体的な見どころや歴史、パワースポットとしてのご利益は意外と知らないことも多かったはず。ぜひこの記事を参考にして、清水観光をより楽しく有意義なものにしてくださいね!
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コメント一覧 (3件)
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