みなさんこんにちは! 観光情報サイト「旅狼どっとこむ」の旅狼かいとです!
今回は京都の嵐山から「祇王寺」について紹介します!
祇王寺は、平安時代から愛される景勝地「小倉山」の麓に佇む小さなお寺で、びっしりと美しい苔が広がる庭園ともみじの風景が見どころとなる穴場的観光名所です。
特に秋の紅葉スポットとして有名であり、平家物語とも関わり深い祇王寺。この記事ではそんな祇王寺の見どころや拝観料、場所やアクセスなど、旅行前に知っておきたい情報を写真とともにお届けしていきます! 京都旅行を計画している方、祇王寺についてもっと知りたいという方はぜひチェックしてください!
祇王寺の歴史と『平家物語』
「祇王寺」は、平安時代に浄土宗の開祖である法然の弟子「念仏房良鎮(りょうちん)」によって「往生院」として創建されました。そんな祇王寺は『平家物語』の第一巻『祇王』に登場するお寺として知られています。
まずはそんな祇王寺と『平家物語』の、切っても切り離すことのできない切ないストーリーをお話ししていきます。
そもそも『平家物語』とは?
そもそも『平家物語』とは、日本の鎌倉時代に綴られたとされる軍記物語です。題名の通り、「平家の栄華と滅亡」や「平安貴族の没落と武士たちの台頭」が描かれています。
作者は未だ不明となっていますが、「琵琶法師」と呼ばれる琵琶を弾く盲目の僧たちが日本各地を巡りながら語ることで、広く知られることになりました。
基本的には全十二巻構成とされる平家物語。第一巻(巻第一)の
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
の書き出しでも有名ですね!
ちなみに、琵琶法師たちによって奏でられた『平家物語』のメロディや演奏様式を「平曲」と呼びます。
『平家物語』第一巻『祇王』のお話
『平家物語』に祇王寺が関わるのは、第一巻の『祇王』というお話しです。ちょっぴり悲しいこの『妓王』のお話、一体どんな物語なのかをみてみましょう。
『妓王』の章の中心人物である「妓王(祇王)」は、平家の家人の娘として近江国祇王村に生まれました。
成長した妓王は、母「刀自」と妹「妓女」とともに京都で有名な白拍子(踊り子の一種)となります。すると妓王の評判は京都で広まり、なんと時の権力者である平清盛に寵愛されるにまで至ります。
まずは干ばつで苦しむ生まれ故郷に水路をつくってもらった妓王は、ひとまずしばらくは母と妹と一緒に京都で暮らしていける、そう思っていたことでしょう。しかし、清盛の妓王への興味は長く続きませんでした。
ある日、「仏御前」というこれまた若く美しい白拍子が、清盛の前にて飛び込みで芸を披露しようとしました。本来、権力者の前で飛び入りで芸をすることなどできません。しかし、門前払いをくらおうとした仏御前を、妓王は「せめて舞だけでもご覧になっては?」と招き入れたのです。
すると、仏御前の舞を見た清盛はすっかり魅了されてしまい、妓王を放り仏御前を寵愛するようになります。妓王は、気を遣って仏御前と清盛の仲を取り成したことで、かえって自分の立場を危うくしてしまったのです。
それでも、仏御前はしっかりと妓王に恩を感じていました。なので「今度は自分が」と妓王と清盛との仲を取り成そうとします。しかし不幸なことに、それがかえって清盛の不興を買ってしまったのです。
結局、妓王は冷遇と辱めを受けたのち、母と妹とともに京都の街から追放されてしまうのでした。
母の説得でなんとか自殺を思い止まった妓王は嵯峨野の地に辿り着き、最終的に「往生院」で母と妹とともに出家します。妓王は当時まだ21歳だったとされています。
その後、往生院は妓王の名前から「祇王寺」と名を変え、妓王のエピソードから「悲恋の尼寺」と呼ばれるようになります。また、妓王に代わる形で平清盛の寵愛を受けることになった仏御前も、のちに祇王寺で出家しています。
『妓王』の物語がどこまで現実の話なのかは定かではありませんが、妓王も仏御前も、心優しい女性だったのでしょう…。
祇王寺の見どころ
寂しいお話はこれくらいにして、ここからは祇王寺に行くなら要チェックの見どころポイントをご紹介していきます!
境内に広がる苔庭
祇王寺の一番の見どころはズバリ! “お庭の一面にびっしりと生えた美しい苔“です!
祇王寺のシンボルでもある苔庭は「日本で一番落ち着く場所だ」という人もいるくらいの完成度となっており、なんと毎日約2時間の手入れを続けることでこの景観が保たれているそう。本当にお寺の方々に感謝感謝ですし、自然のありがたみを感じます…!
春と夏には青々とした”緑の絨毯”が一面に広がり、秋には苔の絨毯に赤や黄色のもみじの葉が降り注ぐ“散り紅葉”を楽しむことができ、冬には真っ白の雪が積もる風景に心奪われる苔庭となっています。
特に秋は、彩り豊かに色づいた木々と苔庭のコントラスト、そして草庵の眺めがオススメですよ!
草庵
境内の奥にひっそりと佇む茅葺き屋根の建物が、祇王寺の草庵です。中には祇王、祇女、刀自、仏御前ら4人の木像が安置されている仏間があります。
そして、祇王寺第二の名物「吉野窓」を眺めることができます。
「吉野窓」は草庵の控えの間にある大きな丸窓で、境内から差し込む日差しが時間や季節によって様々な色彩を障子に映すことから、「虹の窓」とも呼ばれていますよ!
この窓を眺めるために祇王寺に足を運ぶ人もいる、と言われるくらいの場所です。祇王寺へ観光した際はぜひお立ち寄りください!
境内
これを言ったら元も子もありませんが、、あえていいます!
結局のところ、祇王寺は”境内全体が見どころ”です!
祇王寺はそれほど広くないので、全体をゆっくり見てまわっても1時間かからず見終えることができるはずです。苔庭ともみじに染まる木々のコントラスト、草庵と吉野窓からの眺めすべてをのんびりと巡るのが、祇王寺を満喫するための一番の方法といえますよ!
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祇王寺の拝観料・時間・紅葉の見頃・アクセスなど
では最後に、祇王寺の拝観時間や拝観料、紅葉の見頃やアクセス・駐車場情報などをご紹介します。
拝観時間
9:00~16:50(最終受付は16:30)
拝観料
・大人:300円
・小人(小中高):100円
・大覚寺と祇王寺の2カ寺共通拝観券:600円
※共通券は大人のみで、大覚寺大沢池エリアへは入場できない
紅葉の見頃
・色づき始め:11月中旬
・見頃:11月下旬
☆苔庭に降り積もった散りもみじが一番の見どころです!
おすすめ観光時間帯と所要時間
・オススメの時間:基本的にはいつでもオススメ(穴場)
・所要時間:20~30分
アクセスと駐車場
〒616-8435
京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32
TEL:075-861-3574
【電車の場合】
・京福電鉄「嵐山駅」から徒歩25分
・JR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」から徒歩25分
※JRを使えば京都駅から嵯峨嵐山駅までは約20分です
【バスの場合】
・市バス28・91番系統で「嵯峨釈迦堂前 」下車後、徒歩15分
・市バス11・28番系統で「嵯峨小学校前」下車後、徒歩17分
【近くの寺院との距離】
・二尊院から徒歩5分
・常寂光寺から徒歩10分
・祇王寺~大覚寺は徒歩で約25分
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祇王寺の紹介 まとめ
ということで今回は、京都の嵐山から祇王寺の観光案内をお届けしました!
名物の苔庭と草庵の吉野窓、そして紅葉や青もみじが彩る境内は、季節によって様々な彩りに変化し、美しい風景を見せてくれます。旅行先として人気の嵐山エリアではまだまだ穴場なスポットなので、自分のペースでゆっくりと景色を眺めながら、雰囲気を堪能することができますよ!
ぜひ次回の京都旅行では、祇王寺へも足を運んでみてください。きっと素晴らしい時間を過ごすことができることでしょう!
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