みなさんこんにちは! 観光情報サイト「旅狼どっとこむ」の旅狼かいとです!
今回は、富士山の麓に広がる富士五湖の一つ「西湖」の歴史や伝説と、周辺の見どころをご紹介!
他の地域の西湖との区別のために「富士西湖」とも呼ばれる湖は、富士山の絶景を楽しむことができる穴場撮影スポットであり、近くには豊かな自然を感じられる名所や冒険心を掻き立てられる溶岩洞窟が数多くある観光地なのです!
西湖には一体どんな魅力があるのでしょうか? 富士山観光は河口湖や山中湖だけじゃないのです!
富士西湖について
まずは富士五湖としての西湖について、成り立ちや周辺の歴史、湖に生息する生物についてご紹介します。
西湖の歴史
富士五湖の一つである「西湖」は、北を山に、南を青木ヶ原樹海に囲まれた湖で、富士五湖の中では、面積は4番目、最大水深は2番目となっています。
透明度は本栖湖に次ぐ2番目となっており、その湖の色から「乙女の湖」とも呼ばれます。
西湖は、かつて現在の富士五湖の位置にあったとされる「古剗の海(こせのうみ)」という大きな湖が、富士山が噴火した際に噴出した溶岩によって分断されたことでできた湖の一つです。同じく古剗の海にルーツをもつ本栖湖と精進湖とは地下水で繋がっていると考えられており、実際、雨の日などは水位の変化が連動して起こっているそうですよ!
そんな西湖は文化的側面から重要な湖とされています。その理由は、湖底から見つかった「丸木舟」にあります。
富士五湖全体からは9艘の丸木舟が見つかっているのですが、うち4艘は西湖から見つかっており、山梨県指定有形文化財に指定されています。そして、その中でも最大のものは鎌倉時代のものと考えられており、当時人々が富士五湖周辺で暮らしていたことがわかる貴重な資料となっているのです。
西湖の生物
西湖は富士五湖の中で最も生物についての話題が盛んに取り上げられる湖です。
というのも、西湖は山梨県指定天然記念物の「フジマリモ」の群落地であり、2010年(平成22年)には絶滅種の「クニマス」が約70年ぶりに発見された湖でもあるのです!
もともと西湖は“ヒメ”マス釣りで人気の湖でなのですが、釣れるヒメマスの中に地元民から「クロマス」と呼ばれる「ヒメマスの黒い変種」が混ざることが多かったそう。そんなクロマスをタレントのさかなクンがたまたま発見したことをきっかけに京都大学研究チームが調査したところ、当時「絶滅」と分類されていたクニマスと判明したそうなのです!
魚類の絶滅種の再発見は日本国内初の事例ということで、非常に大きな話題となりました。絶滅されたと考えられていた種が何気なく釣られていたとは…。貴重なもの、探し物ほど意外とそばにある、まさに灯台下暗しというわけですね!
西湖の魅力
そんな西湖、河口湖・山中湖・本栖湖・精進湖・西湖から構成される富士五湖の中では一番観光地化が進んでいない湖と言われています。実際に足を運んでみると、確かにそれも納得がいく場所になっています。
しかし、開発が進んでいないが故に、クニマスが人知れず繁殖していたり丸木舟が保存状態が良い状態で見つかった可能性は大いにありますし、観光客が少ない分のんびりと過ごすことができる穴場スポットと言えるでしょう。
そういった雰囲気の中で富士山の風景や自然の空気を感じたいという方には、西湖はむしろピッタリの旅行先だとオススメできますよ!(近くには民宿やキャンプ場はありますから、小中学校の林間学校や部活・サークルなどの団体の合宿地としての利用は多いみたいですね!)
ちなみに「西湖」という名前であるものの、富士五湖最西端というわけでも富士山の西側に位置しているわけでもないです。笑(最西端は本栖湖で、西湖は富士山から見て北に位置します。笑笑)
西湖の見どころと周辺のおすすめスポット
それでは、西湖を訪れたら必ずチェックしたい見どころをご紹介します!
1. 根場浜
西湖で一番人気の撮影スポットが、ここ「根場浜(ねんばはま)」です!
名の通り浜のようになっている西湖西側の入江で、正面に青木ヶ原樹海、その奥に富士山を望むことができます!「逆さ富士」も撮影できちゃいますよ!
Googleで検索するとなぜか「西湖 富士山 見えない」という検索ワードが出てくるのですが、天気さえよければ根場浜から富士山を見ることができますよ! むしろ、目の前に湖、その先に森、そしてその奥に富士山という風景は、富士五湖屈指のビューポイントだと個人的には感じます!
根場浜 場所とアクセス
〒401-0332
山梨県南都留郡富士河口湖町西湖
TEL:0555-72-1976(富士河口湖町 都市整備課)
・富士急行線「河口湖駅」から西湖・青木ヶ原周遊レトロバスで約40分、「西湖いやしの里根場」下車後徒歩5分
・中央自動車道「河口湖IC」から約20分
・東富士五湖道路「富士吉田IC」から約22分
・駐車場無料(普通車28台ぶん完備)
2. 鳴沢氷穴
青木ヶ原樹海の東の入口に位置する「鳴沢氷穴」は、二つのトンネル式の溶岩洞窟が続く富士五湖観光では有名な名所です。
縦に長い形をした竪穴型の溶岩洞窟である鳴沢氷穴は、洞窟のほとんどの部分をしゃがみながら歩かないといけないほど狭くなっており、それがむしろ「冒険心を掻き立てる!」と人気の秘訣となっています!
内部の温度は夏場でも0℃近く、最深部では浸み出した水滴が凍ることでできた巨大な氷柱を一年中を見ることができますよ!
氷穴は、溶岩が冷えて収縮する際に内部の高熱のガス体や溶岩が噴き出して残した空洞、あるいは、噴火による溶岩流にのみ込まれて炭となった巨木などが風化したことでできた空洞で、鳴沢氷穴は国の天然記念物に指定されているほど、地質学的にも重要な場所だそう。
西湖をはじめ、富士山麓への旅行ではぜひチェックしたい見どころです! ただし、夏場でも羽織るものがあるとよいかもしれません! 中はホントに寒いです。笑
鳴沢氷穴 観光地情報
【営業時間】
・基本:9:00〜17:30
・8月の夏休みシーズン:9:00〜18:00
※それぞれ最終入場は終了時間の30分前
【料金】
・大人(中学生以上):350円
・小人(小学生):200円
【アクセス】
〒401-0320
山梨県南都留郡鳴沢村8533
TEL:0555-85-2301
・河口湖駅からレトロバスか路線バスで約30分
・中央自動車道「河口湖IC」から約20分
・東名高速道路「御殿場IC」から東富士五湖有料道路経由で約45分
・東名高速道路「富士IC」から西富士道路経由で約45分
・駐車場は無料(100台ぶん完備)
3. 富岳風穴
「富岳風穴」は上述の鳴沢氷穴の西に位置している溶岩洞窟で、総延長201m、高さは8.7mにおよぶ横穴型洞窟となっています。
風穴は、溶岩流の上部が内部より先に冷えて固まることで、そのまま流れ続ける溶岩流の下部と固まっている上部との間に隙間ができ、それが固まった空洞になります。
狭い洞窟を下へ下へと向かうのが竪穴型の鳴沢氷穴なのに対し、こちらの富岳風穴は一度降りてしまえばあとは横に長い洞窟のため、夏でも溶けない氷柱や溶岩棚、縄状溶岩などをしっかりと観察しながら歩くことができますよ!
そんな富岳風穴も洞窟内部はひんやりとしており、夏場でも内部の平均気温は3℃ほど! 実際、昭和初期まで蚕の卵の貯蔵に使われていたということで、まさに天然の冷蔵庫とも呼べる場所なのです!
また、壁の岩石が音を吸収する性質をもつ玄武岩質のため、洞窟であるにも関わらず内部では不思議と音が反響しないそう。鳴沢氷穴とともに、火山である富士山ならではの観光名所をぜひお楽しみください!
富岳風穴 観光地情報
【営業時間】
・基本:9:00〜17:30
・8月の夏休みシーズン:9:00〜18:00
※それぞれ最終入場は終了時間の30分前
【料金】
・大人(中学生以上):350円
・小人(小学生):200円
【アクセス】
〒401-0332
山梨県南都留郡富士河口湖町西湖青木ヶ原2068-1
TEL:0555-85-2300
・河口湖駅からレトロバスか路線バスで約30分
・中央自動車道「河口湖IC」から約20分
・東名高速道路「御殿場IC」から東富士五湖有料道路経由で約45分
・東名高速道路「富士IC」から西富士道路経由で約45分
・駐車場は無料(150台ぶん完備)
4. 竜宮洞穴
青木ヶ原樹海の中にある「竜宮洞穴」という洞窟は、西湖周辺では随一の人気を誇るパワースポットです!
別名「剗の海神社」とも呼ばれる竜宮洞穴は、富岳風穴と西湖蝙蝠穴を結ぶ国道の途中にある国指定天然記念物の洞穴で、洞窟に置かれた小さな祠には海の女神「豊玉姫(とよたまひめ)」が祀られています。
海神の娘である豊玉姫は「火折尊(ほおりのみこと)」の妻として知られており、この火折尊は「山幸彦(やまさちひこ)」という別名があります。そして、この豊玉姫と火折尊の2人の神話が、童話『浦島太郎』のモデルの一つになっているのではないかと言われているのです!
それがこんな神話です。
瓊瓊杵尊と木花之佐久夜毘売の間に、「火折尊(ほおりのみこと)」という子がいました。父の瓊瓊杵尊は天照大神の孫にあたるため、火折尊はとても高貴な血を引く神様でした。
そんな火折尊はある日、海神の宮殿に赴きます。そこで海神の娘である豊玉姫と出会い、二人は一瞬にして互いに恋に落ちます。豊玉姫の父である海神も火折尊の血筋を直感し、豊玉姫を娶るよう勧めました。二人はすぐに結婚し、3年間、海の宮殿で夫婦生活を送ります。
しかし、異国の地での生活に倦怠感が募ってきた火折尊。故郷を懐かしむことも増えた火折尊を、豊玉姫と海神は陸へと送り返すことにしました。そんな火折尊の後ろ姿を見て、豊玉姫はとても寂しく想っていました。豊玉姫は身ごもっていたのです。そして、豊玉姫は意を決して火折尊の後を追い、陸地で再会を果たします。
豊玉姫に子供ができていることを伝えられた火折尊は、妻のために産屋を建てることにしますが、産屋が完成する前に豊玉姫は産気づいてしまいます。
未完成の産屋に入った豊玉姫は出産に際し、火折尊に「絶対に中を覗かないでほしい」と伝えます。しかし火折尊は我慢できず、覗いてしまいます。するとびっくり。中にいたのは、龍に姿を変えた豊玉姫だったのです。
豊玉姫は愛する人に姿を見られたことを恥じ、産んだ子供を残して海へ帰ってしまったのでした。
(要所を伝えるために『古事記』と『日本書紀』の内容を合わせ、一部省略しています)
ちなみに『日本書紀』では後日談として、海に帰った豊玉姫はその後、我が子を想って妹の玉依姫を母代わりとして陸へ送っています。まさに心広き海の女神。。そりゃあ祀られます…!
ともあれ、こんな神話が語られる豊玉姫を祀った神社が竜宮洞窟なのです! この神話を知ると「竜宮」という名前もなんだか深読みしたくなってしまいますね…!
ちなみに、竜宮洞穴は”本当に”自然の中に祠があるだけの場所となっています。加えて、近年は洞窟内で崩落が起きているそうで、県は中へ入ることを禁止しています。訪問の際はルールやマナーを守って楽しんでくださいね!
竜宮洞穴 場所とアクセス
〒401-0332
山梨県南都留郡富士河口湖町西湖2068
TEL:0555-72-3168(富士河口湖町観光課)
・河口湖駅から路線バス「竜宮洞穴入口」で下車(約40分)
・中央自動車道「河口湖IC」から約20分
5. 西湖コウモリ穴
「西湖コウモリ穴」はその名の通り、コウモリが生息する溶岩洞窟です!
総延長は350m以上にも及び、これは富士山麓の溶岩洞窟で最大規模と考えられています。口コミでは、他の洞穴と比べて一番”探検感”を感じられると人気ですね!
西湖蝙蝠穴は規模が大きいため溶岩洞窟の観察にも最適な場所となっており、溶岩ドームや溶岩棚、縄状溶岩はもちろんのこと、溶岩鍾乳石や珪藻土線といった他では見られない珍しい形成物を見ることができます。他の溶岩洞窟ほど夏は冷えず、かつ冬は暖かい環境なのも嬉しいですね!
そんな西湖コウモリ穴、こうした環境からかつては多くのコウモリが冬眠の場として生息していましたが、観光地化したことで生息数が激減。以来、保護を進めたことで少しずつ数を増やしているそうです。
洞窟のコウモリたちは夜行性ですから、入場できる昼間は「コウモリは見れればラッキー!」というくらいの気持ちで行き、メインはあくまで溶岩洞窟内を見ることと考えていくのがオススメです!
また、隣にはネイチャーセンターとして「クニマス博物館」が立っているほか、この西湖コウモリ穴を含んだネイチャーロードも整備されており、富士山麓の自然が溢れる樹海ハイキングを楽しむこともできますよ!
西湖コウモリ穴 観光地情報
【営業期間】
3月20日〜11月30日
【営業時間】
9:00〜17:00
【料金】
・大人(高校生以上):300円
・小人(小中学生):150円
【アクセス】
〒401-0332
山梨県南都留郡富士河口湖町西湖2068
TEL:0555-82-3111(西湖ネイチャーセンター)
・河口湖駅から路線バスで36分
・中央自動車道「河口湖IC」から約25分
・東名高速道路「御殿下IC」から約50分
・東名高速道路「富士IC」から約1時間
6. 西湖いやしの里根場
富士西湖・根場浜のすぐ近くにあるのが「西湖いやしの里根場」です。
武田信玄の時代にはすでにこの地に形成されていたと言われている根場集落を再現した郷土体験施設で、富士山周辺に多く見られた「兜造り」と呼ばれる茅葺き屋根の民家が立ち並んでいます。
匂袋づくりやレリーフづくり、ストラップづくりなどの体験スペースや食事処・甘味処があり、のどかで昔ながらの趣を感じつつ、かつての暮らしを体感しながらゆったりとした時間を過ごすことができるということで人気です! 家族旅行や学生旅行で行くと、さらに思い出を作れそうなスポットですね!
西湖いやしの里根場 観光地情報
【営業時間】
・3月〜11月:9:00〜17:00
・12月〜2月:9:30〜16:30
・年中無休
※それぞれ最終入場は閉館の30分前
※2022年は3月〜11月の時間で営業中
【料金】
・大人(高校生以上):500円
・小人(小中学生):250円
【アクセス】
〒401-0332
山梨県南都留郡富士河口湖町西湖根場2710
TEL:0555-20-4677
・河口湖駅からレトロバスで約50分
・中央自動車道「河口湖IC」から国道139号線を利用して約1時間20分
・東富士五湖道路「富士吉田IC」から国道139号線を利用して約25分
・駐車場は無料
7. 西湖野鳥の森公園
「西湖野鳥の森公園」は”野鳥の宝庫”と言われる青木ヶ原樹海に囲まれた公園で、ヤマガラやホオジロ、メジロなど約60種類もの野鳥が生息しています。そんな野鳥たちをバードウォッチングするのはもちろん、エサを手に乗せて間近で見ることも可能なんですよ!
また、園内の樹海ギャラリーには、富士山麓の動物や樹海に関する資料や写真を展示したコーナーや木工細工のクラフト体験コーナもあります。
野鳥と花に囲まれた空間でのんびりと森林浴を楽しむことができ、秋には紅葉が彩り、冬には様々な姿に加工された樹氷を鑑賞できる「西湖樹氷まつり」も開催される西湖野鳥の森公園。
友人やご家族、パートナーと静かでゆったりとした時間を過ごしたい方は、ぜひ足を運んでみてください!
西湖野鳥の森公園 観光地情報
【営業時間】
・3月〜11月:9:00〜17:00
・12月~2月:9:00〜16:00
※定休日:毎週木曜日
【季節の催し物と見頃】
・樹氷まつり:1月下旬~2月上旬
・紅葉の見頃:10月中旬~11月中旬
【アクセス】
〒401-0332
山梨県南都留郡富士河口湖町西湖2068
TEL:0555-82-2160
・JR富士急行線「河口湖駅」からレトロバスで43分
・中央自動車道「河口湖IC」から約20分
・駐車場は無料(40台ぶん完備)
富士西湖の魅力と見どころ まとめ
ということで今回は、富士五湖の一つ「西湖」の歴史や生物、周辺の見どころや観光名所についてご紹介してきました!
根場浜では西湖と富士山の絶景を眺めることができ、近くには青木ヶ原樹海と樹海を構成する溶岩による観光名所やパワースポットが多く存在します。そのそれぞれに見どころがありますから、富士山麓特有の自然を満喫できるエリアと言えそうです!
都会の喧騒から離れ、大人から子供まで富士山の自然を堪能できる西湖。ぜひ一度、あなたも足を運んでみてくださいね!
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