みなさんこんにちは!旅狼かいとです!
今回お届けするのは、イギリスの南西部、イングランドの中央部に位置する「バース(Bath)」という町です!
「バース」と一言聞いて、「ああ、イギリスのね!」となる方はそこまで多くないと思います。
「バース」とググると最初に出てくるのは、野球選手の「ランディ・バース(Randy William Bass)」や「バースデイ(Birthday)」の「バース」ですからね。笑
日本ではあまり馴染みがない町ですが、バースはイギリス国内では有数の観光地で、近年観光客数が増加している都市なのです!
そんなバースへ留学でイギリスに滞在していた際に訪れたので、今回の記事ではその時の様子とともにバースの町の観光情報をご紹介していきます!
バース(Bath)の歴史
「バース(Bath)」はイングランド中央部に位置するイギリス有数の観光地で、町にある3つの源泉から湧き出る温泉で非常に有名な町になります。
バースの町に関する最古の記録は、古代ローマによって「ブリタニア」として支配されていた2世紀頃のもので、「温泉の町」として発展していたというもの。
バースの温泉はさまざまな病気に効用があると考えられていたそうで、”テルマエ(thermae)”好きなローマ人にとっては願ってもない土地だったのでしょうね~!
温泉自体は、バースの地がローマに支配される以前から土着の民族であるケルト人によって利用されていたと考えられており、この辺りに住んでいたケルト人は温泉(あるいは温泉源)を信仰の対象としていたとも言われています。
ちなみにバースの町は、ローマ時代には”Aquae Sulis”と、アングロ・サクソン人には「温泉」にちなんで”Baðum”などと呼ばれていたそうです。
このことから、
『“Bath”という町の名前が「お風呂」を意味する単語”bath”の語源となった』
とよく言われているのですが、
実際は、『温泉があるから付いた地名である』という説の方が有力視されているそうですよ。
それでも、『町の名前が言葉の語源になった』の方がロマンは感じますよね!
“ローマ”だけにっ!”ローマ”だけにっっ!!
はい。歴史のお話に戻りましょう。笑
ブリテン島(ブリタニア)がローマ帝国の支配から独立した後、バースのローマ様式の浴場は破壊され、温泉の文化は一時期は廃れてしまいます。
しかし、温泉の利用自体は地元民によって細々と続けられていたそうで、そんなバースが温泉地として再びスポットが当てられたのは、エリザベス1世の時代になります。
その後、18世紀の「ジョージアン時代」と呼ばれる時代に、バースはロンドンの貴族や富裕層の保養地として大規模に再開発がなされました。
バースに到着して町の中心へと歩いていくと、おそらく統一感のある建物群に目を惹かれると思います。
これらの建物は、バース周辺の地域で採れた”はちみつ色”の石灰岩「バース・ストーン」によって建てられたもので、その多くが「ジョージアン時代」に建てられた建築物なのです。
石造りのはずなのに”柔らかみ”を感じさせるこの街並みが、第二次世界大戦後の再建を経て、現在でも町に歴史を伝えてくれているのですね!
近代に入ると、温泉は1978年に一度閉鎖されることとなり、その間は温泉施設跡を見ることしかできませんでした。
しかし、2006年に市内中心部に源泉を利用した総合スパ施設「サーメ・バース・スパ(Thermae Bath Spa)」がつくられ、再びバースの地で温泉を楽しむことができるようになりました!
加えて、1987年に町全体が世界遺産に登録されています。
町そのものが観光地になるなんて、ホントにすごいです!
でもこれって、ヨーロッパの国々だと聞く話ではありますよね。
それだけ昔ながらの街並みを保存しているってことですから、このあたりはヨーロッパ諸国の文化保存の意識の高さが伺える素敵なところです!
日本でも、今残っている歴史ある街並みは大切にしていきたいものですね〜!
ロンドンからバースへ!
バースへのアクセス
今回はちょくちょく、町の様子や僕の観光の流れを挟んでいこうと思います。
ということで、まずはロンドンからバースの町へ向かった際の紹介から!
ロンドンから電車でバースへ向かう場合に利用するのは「パディントン駅(Paddington)」になり、バースの到着駅は「バース・スパ駅(Bath Spa)」という駅になります。
“Bathgate”という駅もありますので、個人で予約して行く方は注意してください。
ロンドンの”Paddington“からバースの”Bath Spa“までは、片道約1時間半の旅路になります。
ちなみに、バスだと3時間弱かかるみたいですね。
バース・スパ駅に着いた様子がこんな感じ。
「めっちゃ人多いじゃん!」と驚いたのですが、この日はたまたま市内でマラソン大会があるとのことでした!
バースの見どころ
ではではここから、イギリス屈指の観光地であるバースの見どころをご紹介していきますよ!
ローマン・バス(The Roman Baths)
バースにきたら必ず見ておきたい観光名所が、ここ「ローマン・バス(The Roman Baths)」になります!
ローマン・バスは、紀元前1世紀頃にローマ人によって建てられた大浴場であり、バースの町を”温泉で有名”たらしめている市内No.1の観光地ですね!
浴場内には、当時の浴場では珍しいプールがついていたほか、「温泉の効力は神の力」だと考えられていたことから、浴場内には知恵と工芸そして、戦の女神である「ミネルヴァ神」の神殿もあったそうですよ。
実際に行ってみると、温泉だけでなく、当時の様子を再現した劇のようなものをしていたり多くの展示物があったりしますよ!
展示物は、ローマン・バスの歴史はもちろんのこと、バースの町についての説明もありましたし、他にもミネルヴァの胸像やゴルゴンのレリーフ、さらには、温泉に投げ込まれたコインまでもがありました!
人は昔から、水が溜まったところに祈りを込めてコインを投げ入れていたみたいですね。笑
古代ローマに関する歴史的建造物としては「北ヨーロッパ随一の保存状態」と言われるほどですので、イギリス観光としてのみならず、歴史好き、特にローマ史好きの方にも楽しんでいただけると思いますよ!
写真でローマン・バス!
では、写真で詳しくご紹介していきましょう!
まずは外観から。
温泉!
温泉を囲む石像たちの紹介です。
すぐ横のバース寺院(バース・アビー)も立派です!
下に降りてきました。
ローマン・バスの観光案内
開館時間
9:00~18:00(3月~6月中旬、9~10月)
9:00~22:00(6月中旬~8月)
9:30~18:00(11~12月、1~2月)
最終入場は閉館1時間前
休館 12/25、26、1/1
料金
£16~23
時期・曜日によって変動。
学割(学生証提示)、シニア割(65歳以上)、子供割(6~18歳)、家族割あり
アクセス
バース寺院(バース・アビー、Bath Abbey)
ローマン・バスの隣に位置するの観光名所が、「バース寺院(バース・アビー、Bath Abbey)」になります!
ローマ人によってつくられたローマン・バスを勘定に入れないと、バースの町では一番古い歴史を持ちます。
史上初めて統一イングランドの王となったエドガー王が、993年に戴冠式を行った教会として有名です。
建物内部の、扇が広がったような模様の天井と、80%が窓で覆われている壁が最大の特徴で、その様子は「イングランド西部の灯火」と讃えられるほど。
また、西の壁のファサードには「天国への梯子」と呼ばれる梯子を登る天使の彫刻が施されており、こちらも見所の1つとなっていますね!
写真でバース寺院!
ではでは、バース・アビーことバース寺院の写真もご紹介していきます!
今回は中へは入らなかったので外観のみのご紹介となること、あらかじめご了承ください。。
バース・アビーの観光案内
開館時間
教会
火~金:9:00~17:30
月:9:30~17:30
土:9:00~18:00
日:13:00~14:30、16:30~17:30
休館 不定期
塔へのガイドツアー(ガイドツアーでしか入れないところへの入場)
4~8月:10:00~17:00
9~10月:10:00~16:00
11~12月:11:00~15:00
1~3月:11:00~16:00
休館 12/24~26、イースター
料金
教会
無料
塔へのガイドツアー
£6
アクセス
町を散策!
次にご紹介するロイヤル・クレッセント(Royal Crescent)までは少し距離があったので、その際街を歩いた様子もご紹介します!
ロイヤル・クレッセント(Royal Crescent)
ということで、「ロイヤル・クレッセント(Royal Crescent)」にやってきました!
ここまでご紹介してきたローマン・バスとバース寺院はバースの古代・中世の歴史を物語る名所でした。
対してこのロイヤル・クレッセントは、バース、ならびにイギリスの近世・近代の歴史を物語る名所になります。
歴史の部分でお話ししたように、18世紀に入ってバースは保養地として開発が進みます。
そんな時代に、イギリスの建築家であるジョン・ウッド親子が8年の歳月をかけて建てた「世界一美しい集合住宅」と呼ばれる建築物が「ロイヤル・クレッセント(Royal Crescent)」です。
パッラーディオ様式という、古代ギリシア・ローマの神殿建築から着想を得たその対称性や奥行き、価値観に基づいた建築様式を採用しているのが特徴です。
「クレッセント(Crescent)」は「三日月」の意味で、その名の通り三日月を連想させる巨大な半楕円形の集合住宅は、左右対称のカーブを描きながら地上3階、地下1階の30の邸宅が連なっています。
一番端の1号室は博物館「ナンバーワン・ロイヤル・クレッセント」として一般に開放されており、ロイヤル・クレッセントが建設されたジョージアン王朝時代の階級社会の歴史や様子を垣間見ることができます。
正面には、ロイヤル・クレッセントに抱かれるように緑一色の芝生が広がっています!
ロイヤル・クレッセントを写真に収めるのはもちろんですが、暖かく晴れた日に青空の下、世界一美しい集合住宅に見守られながらこの芝生ゆっくりとくつろいでみたいものですね~
サーカス(The Circus)
ちなみに、、
駅やローマン・バスからロイヤル・クレッセントに向かった場合に、ロイヤル・クレッセントの手間で通る「サーカス(The Circus)」も、同じくジョン・ウッド親子が建てた集合住宅です。
こちらは少し小ぶりですが、周囲360°をバース・ストーンの美しい建物に囲まれてみると、なんだか不思議な気分になりましたよ!
駅の方へ戻ります!
では、来た時と同じように再び町を散策した様子をご紹介していきます!
バースの町は、ローマン・バスやバース寺院がある中心部から離れると坂が多くなります。
そんな町を埋め尽くす”はちみつ色”のバース・ストーンでできた住宅地。
本当に町を歩いているだけで、”バース”という町を堪能することができました!
この雰囲気、バースに来たならぜひ味わってみてほしい…!!
行きたかったところ!
ということで、僕が訪れたバースの観光地と見どころ紹介はこれで終了となりますが、ここからは時間の関係で泣く泣くカットした、本当は行きたかったところをご紹介します!
実際に行って見てきた感想はありませんが、どこも「バースの見どころ」として多く取り上げられる場所ですよ!
サーメ・バース・スパ(Thermae Bath Spa)
上の歴史のお話でもちょこっと触れた、2006年にバース市街にオープンした近代的な要素も取り入れつつも伝統的な英国式も織り交ぜた総合スパが、「サーメ・バース・スパ(Thermae Bath Spa)」になります!
「サーメ・バース・スパ」を日本語にすると「温泉・温泉・温泉」となるという、なんとも主張の強い名所でもありますね!笑
(”Thermae”は「サーメ」と読んでいますが、これは「テルマエ」を英語読みしたものですね!)
まさに「温泉好きの、温泉好きによる、温泉好きのため温泉」となっているわけです!
中でも一番人気は、「ルーフトップ・プール」という名がついた屋上にある露天風呂!
バース市街の美しい街並みをローマ人も楽しんだ天然温泉に入りながら眺めることができるなんて、、贅沢すぎますね!!
僕も次に行ったときはゆっくりと入りたいものです。。
アセンブリー・ルーム(Assembly Rooms)
ロイヤル・クレッセントやサーカスと同じく、ジョン・ウッド(の息子)が設計を担当した建造物が、「アセンブリー・ルーム(Assembly Rooms)」になります。
18世紀に貴族たちが保養地としてバースに訪れるようになって以来、紳士淑女の社交場として舞踏会やお茶会などが催されました。
当時の様子が色濃く残る内装や地下にある「ファッション・ミュージアム」では、イギリスの華やかな貴族文化に触れることができます。
時期によっては、様々なテーマで特別展示も行われており、また、日本語の音声案内が無料で借りれるのもポイントですね!
イギリスやヨーロッパの貴族文化に興味を持つ人はもちろんのこと、ファッション・ミュージアムではドレスの試着ができるので、女性のみなさんは特に楽しめるのではないでしょうか!
もちろん、エスコートする男性陣もね!笑
サリー・ランズ(Sally Lunn’s)
バースの町において、「バース寺院」の次に歴史のあるのは、実はパン屋さんなのです!
それが「サリー・ランズ」というパン屋さん。
「サリー・ラン・バン」という、フランスのブリオッシュが変化して今の形になったとされるバースの名物を売っているお店ですね!
また、バースの名物には「バース・バン」という、キャラウェイの実をのせてミルクと砂糖を使って焼き上げたパンも挙げられています。
意外にも、バースの名物はパンなんです!
バースに来たらパンを食べましょうね!!
かく言う僕は、サリー・ランズを探していたのですが結局よくわからず、一番見栄えがよかったパン屋さんでパンを購入しました!笑
というのも、この日の目的地はバースだけじゃなかったのです!
というか、バースは”ウォーミングアップ”みたいなもので、午後の目的地こそ本命だったのです!
その本命こそ、「グラストンベリー」です!!
この日はお昼頃までバースを観光し、午後はグラストンベリーへ行きました!
ということで、バース以降の旅の続きはグラストンベリーの記事でご紹介します!!
バースのまとめ
今回は、温泉の町で知られるイギリス屈指の観光地バースについてご紹介してきました!
ローマ時代から湧き続ける温泉はもちろんのこと、イギリス貴族の社交場となった近世・近代の街並みも素晴らしいものがありました。
本当に、石造りのはずなのに”柔らかさ”を感じるんですよねぇ…!
そして、ここまで町の建物に統一感があり、その様子が今でも見ることができるというのはなかなか類を見ないのではないでしょうか。
町全体が世界遺産なのも頷けます!!
ロンドンからのアクセスも電車一本ですので、イギリスやロンドン観光に訪れた際は、ぜひバースの町まで足を伸ばしてみてくださいね!!
そして、バースの後に行ったグラストンベリーについてもぜひご覧くださいね!
個人的には一番の”推し”ですので!!
👇グラストンベリーについてはこちら!!👇
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