みなさんこんにちは!観光情報サイト「旅狼どっとこむ」の旅狼かいとです!
京都随一の写真スポット「八坂の塔」のすぐ近くに佇む「八坂庚申堂」は、最近注目が集まっている新時代のフォトジェニックスポットです! 「くくり猿」と呼ばれるカラフルなお守りで彩られた境内で着物を着て写真を撮れば、インスタ映えは間違いなし!
そんな八坂庚申堂について、歴史やご利益はもちろん、アクセスや拝観料、開門時間といった観光地情報もお届けしていきます。八坂庚申堂へ行こうと考えている方や祇園・東山エリアでフォトスポットをお探しの方はぜひ参考にしてください。
八坂庚申堂とは?
インスタ映えな写真スポットとして知られる「八坂の塔」のすぐ近くに、八坂にいったらいっておきたい隠れ名所「八坂庚申堂」はあります。
正式名称を「大黒山 金剛寺 庚申堂」という八坂庚申堂。今では着物で訪れる女性も多い人気フォトスポットですが、もともとは日本における「庚申信仰」発祥の地とされるお寺になります。
「庚申信仰」とは、青面金剛が本尊、「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿が神の使いとされる信仰で、「暦の巡りが良くない夜を慎ましく眠らずに過ごすことで、さまざまなご利益がある」という考えのもと広がったと言われています。
そんな庚申信仰の中心に位置づけられる八坂庚申堂がなぜここまで人気となったのか? 最大の要因こそが、「くくり猿」というお守りが境内をカラフルに彩っているのがSNSで話題となったからなのです!
八坂庚申堂のくくり猿とは?
八坂庚申堂では、「願いとは、欲を持ち続けるのではなく欲を捨てることで叶う」といわれています。そして自らの欲を捨てるために使われるのが、「くくり猿」と呼ばれるお手玉のような可愛らしい色合いをしたお守りなのです。
実はくくり猿、手足をくくられて動けなくなった猿の姿をしています。欲望のままに行動する猿を動けない姿にすることで、欲に走らないよう人間を戒めているのだそう。 そんなくくり猿に願いを書き込めて欲を我慢すると、願いが叶うというのです!
この一風変わった願掛け方法と境内を彩るカラフルなくくり猿たちの風景は、着物でめぐる京都旅行にまさにピッタリ! いつの間にかインスタ映えを求める女性たちの注目の的になったわけなのです。
三猿の役割
八坂庚申堂では、本尊の青面金剛と合わせて「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿も神の使いとして祀られています。
日光東照宮などでも有名な「三猿」ですが、その姿には「目と耳と口を慎むことで厄を避ける」という教えが込められていると言われているのですよ!
境内には至るところに三猿たちがいるので、写真撮影を楽しみながら見つけてみてくださいね!
八坂庚申堂のユニークな祈祷
カラフルなくくり猿だけでも十分見どころとなる八坂庚申堂ですが、時期が合えばとても変わった祈祷に巡り合えるかもしれないのです!
こんにゃく封じ祈祷
八坂庚申堂では、「こんにゃく」に様々な病気や願い事を封じ込めて祈祷する方法があるのです! 八坂庚申堂を開いた浄蔵貴所がお告げに従って始めた秘法だそう。
黄色い人型に名前と年齢、そして願いや治したい病名を書き入れ、こんにゃくに貼り付けて天井から吊り下げて祈願します。すると、日に日にこんにゃくから水分が抜けて縮んでいく様子がみられるはず。小さくなっていくこんにゃくが、願いがだんだんと叶っていく様子、あるいは、病や苦しみが抜け去っていく様子を表していると考えれられているのです。
こんにゃく祈祷は60日に1回ある「庚申の日」に行われ、この日の八坂庚申堂では、参拝者に猿の形にくりぬいたコンニャクが3切れ振る舞われるそう。そしてそのコンニャクを北に向かって無言で食べることで、その後の一年間、無病息災で過ごせるとも言われています。
2022年の庚申の日は
1月7日(金)、3月8日(火)、5月7日(土)、7月6日(水)、9月4日(日)、11月3日(木)
の6日間となっています。
もしこのタイミングで京都旅行をすることがあれば、ぜひ八坂庚申堂に足を運んでみてください!
タレコ封じ祈祷
こんにゃく封じと並んで八坂庚申堂のユニークな祈祷となっているのが、「タレコ封じ祈祷」です!
なんでも「下の世話にならず、元気に過ごすための祈祷」とのことで、新品の下着を持参する必要があるのです! その下着に庚申宝印を押して秘法を施すことで、ご利益を頂けるとのこと。
祈祷後には「タレコ封じ五色お守り」もいただけるそうなので、興味がある方は祈祷をお願いしてみては…⁈
八坂庚申堂の観光地案内
八坂庚申堂の開門時間や拝観料、アクセスは以下の通りとなっています。
開門時間
9:00~17:00
拝観料
境内は自由散策のため無料
くくり猿は1個500円で、平日は100個、休日は300個の個数制限あり
こんにゃく封じ祈祷やタレコ封じ祈祷など各種御祈祷はお供えとして¥3,000円〜
アクセス
京都市東山区金園町390
TEL:075-541-2565
・市バス58・86・202・206・207番系統「東山安井」または「清水道」下車後、徒歩約6分
八坂庚申堂 まとめ
ということで今回は、京都のフォトジェニックスポットから「八坂庚申堂」をご紹介してきました!
欲を捨てることで願いを叶える、なんとも難しい気もしますが、このお参りとインスタ映えな写真撮影は、京都旅行の際にはぜひともしたいものです。
特にお着物を着ての観光であれば、八坂庚申堂はなおのことオススメの観光スポットです! カップル旅行でも女子旅でも、祇園・東山エリアを訪れた際は、この八坂庚申堂への寄り道もお忘れなく!
おまけ 八坂庚申堂のうんちく
日本三大庚申のひとつで、日本最古の庚申堂でもある八坂庚申堂。まとめの後にはなりますが、八坂庚申堂の名前にある「庚申信仰」について最後に詳しくご紹介します。
あまりフォトスポットとしての八坂庚申堂とは関係ないですが、”うんちく”として興味がある方はぜひご覧ください!
そもそも「庚申」ってナニ?
「こうしん」以外に「かのえさる」という読み方もある「庚申」は、60ある十干・十二支の組み合わせの一つです。
組み合わさっている”十干の「庚」”と”十二支の「申」”の陰陽五行がともに「陽の金」であることから、陰陽道が流行した平安時代において、「庚申の年や日」は「金気が天地に充満して人の心が冷酷になりやすい」と考えられていました。
また、中国・朝鮮から古代日本に入ってきた道教の考え方に、
人間の頭と腹と足には「三尸」という虫がいて、庚申の日の夜に寝ている人間の体を抜け出し、天帝(閻魔大王)にその人の悪行を報告している。そしてその内容によっては、寿命が縮められたり死後に地獄・餓鬼・畜生の三悪道に堕とされる
というものがありました。
これら庚申に関わる信仰から、平安時代の頃から公家や僧侶の間で行われていたのが「庚申待」です。
庚申信仰の原点「庚申待」
「庚申待」とは、「寝ている間に三尸が抜け出すのなら寝なければいいではないか!」という平安時代版”寝なければ起きられる思考”のもと(笑)、すごろくや詩歌管弦、酒盛りを徹夜で楽しむという行事です。人々はなんとかして眠らないために、顔にスミを塗ったり胡椒をかけたり太鼓を叩いたりしつつ、カフェインが含まれているお茶を飲んでいたといいます。
この様子は清少納言の『枕草子』にも記されており、世間では『年に六度の庚申を知らずして、二世の大願は成就せぬ』とまで言われていたそう。
江戸時代には民間にも広がったという庚申待。長きに渡り、日本の年間行事の一つとして続いてきたのです。
庚申信仰について
そんな庚申待が、いつの間にか「庚申」そのものを信仰対象にするようになったのが「庚申信仰」です。
本尊の「庚申様」は「青面金剛」と名付けられた固有の神様で、「三尸を押さえる神」とのこと。(そのまんまやないかい!)
鎌倉時代〜室町時代の頃になると、そんな青面金剛が仏教をはじめとする他の宗教と習合していきます。すると、もともとは「庚申待」という行為に主眼が置かれていた「庚申信仰」は、より「本尊を信仰する」という宗教的側面が強くなっていきました。
青面金剛が同一視される神様として「猿田彦命」が挙げられます。これは「申」と「猿」のつながりからと考えられており、この習合の影響で庚申信仰の神の使いが「猿」になったと考えられています。
庚申様のご利益は、豊作や健康長寿、病除け、和合・良縁といったものから、招福や厄除け、さらには建築や芸能など、かなり多面的な要素を持っています。
そんな庚申信仰は長い間、貴族や上流階級の武士の文化となっていました。それが江戸時代に入ると次第に一般の人々にも広がっていきます。そして、さらに多くの人たちが庚申様にお参りできるようにと、「浄蔵貴所」が日本で最初の庚申堂として創建したのが「八坂庚申堂」なのです。
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