みなさんこんにちは! 観光情報サイト「旅狼どっとこむ」の旅狼かいとです!
今回ご紹介するのは、京都市街地北部に佇む「貴船神社」です!
京都随一のスピリチュアルスポットとして、さらには縁結びのご利益をいただけるパワースポットとしてとても有名な神社でありながら、灯籠と階段の参道風景も京都屈指のフォトスポットとして知られています!
秋には紅葉の名所としても人気で、最近は「呪い」や「丑の刻参り」の伝説でも知られているのはご存知でしょうか?
この記事ではそんな春夏秋冬どの季節の京都旅行でもオススメできる貴船神社について、見どころや歴史・伝説、神様やご利益、アクセスや鞍馬寺への行き方など、貴船神社観光をより一層おもしろくする情報をお届けしていきます。京都観光や貴船神社への旅行をご検討の方はぜひ参考にしてくださいね!
貴船神社の歴史
まずは、知っているとさらに観光が楽しくなる貴船神社の歴史についてお話ししていきます!
創建伝説と名前の由来
貴船神社の創建の年代については、今なお詳しいことはわかっていません。しかし社伝には、「玉依姫命(たまよりひめのみこと)」の伝説が残されています。
その伝説によると、神武天皇の母である玉依姫命が黄色い船に乗って淀川・鴨川・貴船川を遡り、現在奥宮が立っている地に水神を祀ったことが貴船神社のはじまりとされています。
この伝説から社名の「貴船」については、「玉依姫命が乗っていた”黄船”が由来となった」だったり、「”龍穴”があると言われる奥宮の神聖でどこか厳かな雰囲気」から「”気の生ずる根源”という意味で”氣生根”と呼ばれていたことの由来する」という説があります。
最も古い社殿造替えの記録が白鳳6年(666年)であることから、少なくともこの時代より以前に創建されたのは間違いないとされています。
平安時代以降の貴船神社
保延6年(1140年)には、神道における最高位である正一位の神階を授けられるなど、朝廷からの信仰も篤かった貴船神社。
長らく、同じく創建に玉依姫命が関わっている「賀茂別雷神社(上賀茂神社)」の摂社とされてきましたが、明治以降になって独立した神社となりました。そのため、江戸時代までは上賀茂神社の祭神である「賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)」も祭神としていました。
現在では観光地として屈指の人気を誇る貴船神社ですが、その歴史はまだまだ知られていないことが多いようです。ですが、そんな謎が多い状況こそが過去の伝説や逸話が惹き立たせることに繋がっていると言えるのもまた、貴船神社の魅力かもしれませんね!
貴船神社の見どころ
それでは、貴船神社に行ったら絶対に見逃せないオススメの見どころスポットをご紹介します!
三社詣
貴船神社最大の特徴は、「本宮」「奥宮」「結社」の三社が並び立っていることにあります。そしてこの三社を順々に参る「三社詣」こそが、貴船神社では絶対にやっておきたいことなのです!
実際に貴船神社へ行くと、坂の下から「本宮」「結社」「奥宮」の順に並んでいますが、正式な三社詣の巡り方は「本宮→奥宮→結社」の順番になりますよ!
本宮
貴船山の麓に佇む貴船神社の中核をなす場所が「本宮」です!
創建の地である奥宮が洪水で流損したため、天喜3年(1055年)に移設されたものが現在の本宮になります。以来、数十回にもおよぶ御造替(ごぞうたい)が行われており、現在の本宮は平成19年(2007年)に基礎からすべてを一新して建て替えられたものになります。
本宮の祭神とご利益
本宮に祀られている神様は、水神である「高龗神(淤加美神とも)」です。
日本神話で語られる、伊邪那美命(伊弉冉尊とも)が神々を産む「神産み」において、火の神である加具土(軻遇突智などとも)が生まれた際、母であるイザナミは陰部に火傷を負いこれがもとで死んでしまいます。
それに怒った夫の伊邪那岐命(伊奘諾尊とも)が、十拳剣でカグツチを斬り殺し、滴るカグツチの血から生まれたのが高龗神です。
「火は人にとってなくてはならない大切なものだが、使い方を間違えると大きな災いを招くこともある」という教訓を表現するために、「荒ぶる火の象徴としての火の神から火を鎮めることができる水の神が誕生した」という解釈がなされています。
そんな高龗神は水の神であり雨の神でもあるため、古くから貴船神社では雨乞いの儀式も盛んに行われてきました。また、神の気が生ずる根源として「氣生根(きふね)」と記されていたことから、疫病などの国の大事があるときには祈願が行われていたそうです。
そうした歴史から、貴船神社の本宮には「運気向上」や「諸願成就」のご利益があるとされています。
霊泉と水占みくじ(水占い・水おみくじ)
貴船神社で忘れてはいけないのが、名物の「水占い」ですね! 本宮社殿前にたまる水は貴船神社の「霊泉」であり、この貴船山の湧き水に占いの紙を浮かべると文字が浮かぶのです!
最近では意外と多くの神社で水占いができますが、水の神様を祀る貴船神社の雰囲気の中で占うものにはやはり特別な雰囲気を感じますよ!
奥宮
「奥宮」は貴船神社創建の地であり、森に囲まれた神聖な場所です。
実際に行ってみると、奥宮の地に足を踏み入れたときに”フッと”何かが透き通る感覚になったことを今でも覚えています…!(これは結構まじ。)
貴船神社創建の地
歴史の部分でお話ししたように、伝説において神武天皇の母である「玉依姫命(たまよりひめのみこと)」は黄色い船に乗って淀川・鴨川・貴船川を遡ることでこの地に上陸し、清水の水源となっている奥宮の場所に水神を祀ったと言われています。
この際、玉依姫命は乗ってきた黄船を人目に触れないように石で囲んだと伝えられており、奥宮本殿のそばに祀られている苔むした岩がその黄船であると言われていますよ!
また、奥宮本殿の真下には、陰陽道や古代道教などにおいて”繁栄する地”の証である「龍穴」が存在しているとも言われています。
もちろんこういった伝説の真偽は定かではありませんが、貴船神社の奥宮に不思議な雰囲気が漂っているのは霊感がない筆者でも感じることができました。まさに、”神秘のパワースポット”と呼ぶに相応しい場所でしたよ!
奥宮に祀られている神様
奥宮に祀られているのは「闇龗神(淤加美神とも) 」という神様です。
闇龗神は『古事記』において、カグツチを切ったイザナギの十拳剣の柄から滴り落ちた血から闇御津羽神(クラミツハ)とともに生まれたとされており、本宮に祀られる主祭神「高龗神(たかおかみのかみ)」と同一視されている神です。
実際、貴船神社では本宮も奥宮もどちらの祭神も「高龗神」とされています。
結社(縁結びの社)
貴船神社が「京都屈指の縁結びのパワースポット」として知られる理由は、この中社の「結社」が存在しているからですね!
貴船神社はどうして縁結びのパワースポットなの?
結社に祀られている神様「磐長姫命(いわながひめのみこと)」は、日本神話において「縁結び」の女神とされており、”美の女神”である「木花開耶姫(このはなのさくやびめ)」の姉にあたります。
美の女神たる妹の木花開耶姫は”絶世の美女”と謳われているのに対し、縁結びの女神たる姉の磐長姫の見た目は妹には遠くおよばないものだったそう。
そんな女神姉妹が暮らしていたある日、妹の木花開耶姫は「邇邇芸命(ににぎのみこと)」という神から求婚されます。
邇邇芸命は、のちに初代天皇となる神武天皇の曽祖父にあたり、天照大神の孫神。天照大神といえば日本神話における主神ですから、当然、姉妹の父である「大山津見神(おおやまつみ)」は大変に喜びます。そして、求婚された妹の木花開耶姫のみならず姉の磐長姫も共に差し出します。
しかし、邇邇芸命は妹の木花開耶姫のみを娶り、磐長姫は父のもとに返してしまったのです。
磐長姫はこの出来事を大変に恥じ、「吾ここに留まりて人々の良縁を授けよう」と貴船神社の結社に鎮座したといいます。
これがきっかけとなり、「貴船神社が縁結びの地とされた」と言われているのです。
また平安時代には、”恋多き女性詩人”と言われる「和泉式部」が夫の心変わりに思い悩んだ際にこの結社を参拝して歌を捧げて祈ったところ、その願いが見事に叶ったという逸話も残されています。
このエピソードから、それ以来貴船神社の結社は「恋の宮」と呼ばれるようになったそうですよ!
磐長姫と和泉式部、この二人の伝説が元となって「縁結びの貴船神社」ができたというわけですね!
ちなみに、人の寿命が現在の長さになったことにも、磐長姫・木花開耶姫と邇邇芸命の物語が関わっているのですよ! 詳しく知りたい方はこちらの「かちかち山」の記事をご覧ください!
絵馬発祥の地として
貴船神社は「絵馬発祥の社」としても知られています。その理由は本宮と奥宮に祀られている水神「高龗神(たかおかみのかみ)」に関わりがあります。
古来より歴代の天皇は、干ばつの時には黒馬を、長雨には白馬を奉納して天気に関わる祈願をしていました。
そんな時代において、水の神であり雨の神でもある「高龗神」を祭神とする貴船神社では、そうした雨に関わる祈祷が盛んに行われてきたのでした。
そして時代を経るにつれて、生きた馬を用いた祈雨は馬形の板に着色した「板立馬」を奉納する形に変わっていきます。さらに板立馬は現在の「絵馬」へと形を変えていき、江戸時代に入った頃には「個人が願いを小型の絵馬に書いて奉納する」という形へと変化していったそうです。
一見すると何の関係もないように思える貴船神社と絵馬ですが、こうした歴史や日本の文化をみてみると確かに「なるほど!」と思えますよね!
丑の刻参りの呪いと貴船神社
パワースポット、水占い、縁結びの神社として知られる貴船神社ですが、もう一つ特徴としてあげられるものがあります。
それが、「縁切りの神」や「呪咀神」としての信仰なのです…! Googleで検索すると「行かない方がいい」「呪い」「丑の刻参り」なんて言葉が出てきますからね。笑
それもそもはず。実際に、貴船神社は「丑の刻参り」でも有名な神社なのです…!
そもそも丑の刻参りとは?
「丑の刻参り(うしのこくまいり)」とは、丑の刻(午前1時から午前3時ごろ)に行われた古来から日本に伝わる呪術の一つです。
最もオーソドックスな呪いスタイルは、
①嫉妬心を抑えられなくなった女性が一人で
②白装束を身にまとい、顔に白粉を塗り、
③頭に五徳(鉄輪)をかぶり、そこに三本のロウソクを立てる
④そして、髪を振り乱しながら神社の御神木に憎い相手に見立てた藁人形を五寸釘で打ち込む
というもの。(まさに、藁人形に釘を打ち込むあれですね。笑)
そして、「連夜この呪いを続けると七日目で満願となって呪う相手が死ぬが、行為を他人に見られると効力が失せる」と信じられていたそうです。
この丑の刻参りが貴船神社で行われていたという逸話から、貴船神社は「呪い」や「呪咀神」、「縁切りの神」としても知られているのです。
どうして貴船神社が丑の刻参りの”聖地”に?
ではなぜ、貴船神社が丑の刻参りの”聖地”となってしまったのでしょう?
実はもともとあった丑の刻参りは、
貴船明神が貴船山に降臨したのが”丑の年の丑の月の丑の日の丑の刻”だったため、「丑の刻に参拝して願いを掛けることで願いが叶う」
というものだったそうなのです!
なので原形は「ただ願いを叶えるための方法」だったはずなのですが、いつの間にやら呪いの要素が強くなってしまったようなのです。平安時代にはすでに貴船神社へ夜に参拝する文化が存在したようなので、早い段階で願いの形が変質していったようですね。
具体的なエピソードがないためこれは僕の推測ですが、、
人の願いというのは、必ずしもポジティブなものではないし、必ずしも自分のみに向くとも限りませんよね。「こうなりたい!」「これを叶えたい!」「あの人にこうなってほしい!」「振り向いてほしい!」という願いだけでなく、「こうなってしまえばいいのに…」「あの人さえいなければ…」という感情もわきます。そして、そうした他人に向けられたネガティブな感情もまた「願い」になります。
さらに、負の感情を願う場所が京都の中心地から離れた山の中ともなれば、「一目につかないのなら…」という心願成就の方法、すなわち呪術の類が生まれても不思議じゃない、と思うのです。
いずれにしても、「すべてが善性ではない」というところがなんとも”リアルな人の物語”らしくていいなぁ、と僕個人としては感じちゃいますね!笑
貴船神社の観光地情報
それでは最後に、貴船神社の拝観時間や拝観料、アクセスなどをご紹介します。
拝観時間
【本宮 開門時間】
・5/1~11/30:6:00~20:00
・12/1~4/30:6:00~18:00
【授与所受付時間】
9:00~17:00(水占みくじ、御守、御朱印などの授与受付)
【その他】
・年中無休、年末年始は特別時間で開門
拝観料
境内自由散策のため無料
2024年の夜間特別ライトアップ
※終了 七夕笹飾りライトアップ
・日程:7/1(日) 〜 8/15(木)
・時間:日の入り〜20:00
※例年同じ日付て行われます。
貴船もみじ灯籠(秋のライトアップ)
・日程:11月1日(金) 〜 11月24日(日)
・時間:日の入り〜20:30
冬のライトアップ(情報は2023年のものです)
・日程:1月7日(土) 〜 2月26日(日) の土日祝のみ開催
・時間:日の入り〜20:00
上記期間・時間のうち、積雪日限定でライトアップが開催されます。開催の可否は当日の15:00に貴船神社のSNS(Twitter、Facebook)で告知されます。
アクセス
〒601-1112
京都市左京区鞍馬貴船町180
TEL:075-741-2016
【電車とバスの場合】
・叡山電鉄「貴船口駅」から京都バス33系統「貴船行き」で終点まで約4分(徒歩だと約30分)
【車の場合】
・京都駅から北へ約40分
・名神高速東ICから北へ約50分
・名神高速南ICから北へ約50分
駐車場
800円 / 2時間
本宮には10台、奥宮には15台ぶん完備
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⇨次ページ 実際に貴船神社へ行ってみた!
次のページでは、貴船神社へ実際に行ってみた際の様子を写真中心でお届けしていきます!
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コメント一覧 (5件)
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