みなさんこんにちは! 観光情報サイト「旅狼どっとこむ」の旅狼かいとです!
今回は群馬県に位置する「草津温泉」について、観光における見どころやアクセス、旅行前に知っておきたい歴史をご紹介します。
毎分3万2300ℓ以上と言われる日本一の温泉の自然湧出量を誇り、下呂温泉・有馬温泉とともに「日本三名泉」にも数えられる草津温泉。まさに名実ともに日本No.1の名湯と呼ばれ続ける温泉地は、カップルの記念旅行や子供連れの家族旅行はもちろん、女子旅や学生の卒業旅行にもオススメです!
この記事ではあくまで草津の温泉街に絞ってお届けしますので、車がない方でも問題ありません。草津温泉への旅行を考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね!
草津温泉の歴史
まずは草津温泉の歴史からご紹介します。知っておくと観光がもっとおもしろくなること間違いなしですよ!
開湯の伝説と史実
草津温泉の歴史はとても古く、最古の伝説では古代日本の英雄「日本武尊(ヤマトタケルノミコト)」が開いたという逸話にはじまり、東大寺の創建に貢献した奈良時代の僧侶「行基」や鎌倉幕府初代将軍「源頼朝」が開いたという開湯伝説も残されています。
事実としては、戦国時代に開湯されたと考えられている草津温泉。当時、草津周辺を治めていた湯本氏が文献に多く登場し始めた頃と言われています。
草津の湯治客からとる湯銭を武田氏配下の真田氏に納めたり、草津や白根で採れる硫黄を戦国大名に贈ったりしていたという記録が記されているそうですよ!
豊臣秀吉と草津温泉
日本初の天下統一を果たした人物といえば「豊臣秀吉」ですが、実は秀吉は大の温泉好きだったと言われているのです。
戦国時代後の発見には、そんな秀吉が草津湯治の綿密な計画を立てたという記録や徳川家康に草津温泉の入湯を勧めた書状なども残っているそうですよ!
江戸時代の草津温泉
江戸時代に入ると、初期の頃は真田氏の沼田藩に、その後は天領として江戸幕府の直轄支配を受けることとなった草津温泉。そして、お世辞にも交通の便が良いとはいえない草津の温泉地に、年間1万人を超える湯治客が詰めかけていたと記録されているそうです。
当時すでに60軒ほどの湯宿があり、幕末には「草津千軒江戸構え」といわれるほどの盛況ぶりだったとも伝えられていますよ!
今の感覚からすると1万人の凄さがわかりにくいですが、当時温泉に湯治できる人間はごくごく少数の身分の人間。山奥にある草津温泉へ行くとなるとその中でもさらに限られた人しか行くことができなかったと考えると、上流階級の人々が多く足を運んでいた温泉街と言えるのではないでしょうか!
また、この頃から名物の「湯もみ」の風習や、「かこい湯」や「幕湯」といった貸し切り湯からはじまる内湯が設けられるようになったといわれています。
明治〜大正時代の草津温泉
開国を果たした明治時代に入ると、「万病に吉」と謳われる強酸性の源泉を引く草津温泉に海外からも注目が集まるようになります。
スウェーデンの人文学者アドルフ・エリク・ノルデンショルドにはじまり、ドイツ人医師エルヴィン・フォン・ベルツや宣教師コンウォール・リーによって、ハンセン病や梅毒、脚気に効く湯治場としての地位が確立していきました。
中でもハンセン病への効能が強く注目を集め、実際、草津温泉郷にはハンセン病集落が建てられています。
大正時代に入ると鉄道整備やバスの乗り入れも進み、ハンセン病の温泉治療地の第一線としてさらなる人気を博すようになります。
戦後〜現在の草津温泉
湯治場として栄えた草津温泉が現在のような”観光地”として発展していくのは、戦後になってから。
ハンセン病治療薬の登場によってハンセン病がほぼ克服されたため、温泉療法は急速に廃れていきます。そのため湯治場として成立してきた草津温泉は方向転換を余儀なくされ、結果として草津温泉は観光客を集める温泉観光地としての道を歩むこととなったのです。
そして、1975年(昭和50年)に湧出量4700L/分の万代鉱源泉の利用が始まったことで給湯量に余裕ができ、それまで温泉施設の無かった高台にも給湯が可能になります。これがきっかけとなり、草津温泉の規模は一気に拡大していきます。
今では、観光経済新聞社主催の「にっぽんの温泉100選」において “18年連続1位” を獲得するなど、草津温泉は名実ともに日本一の温泉地として日本を代表する観光地となっています。
草津温泉のオススメ見どころ7選
ではここから、草津温泉へ行ったら絶対に行っておきたい見どころをご紹介していきます! 今回は冬の雪が積もる時期にいきましたので、写真も雪化粧をした草津温泉になっていますよ!
① 湯畑
草津温泉の見どころといえば、何といってもまずは「湯畑」でしょう!!
温泉街の中心に位置し、「湯畑といえば草津温泉」「草津温泉といえば湯畑」といっても過言ではないほど草津温泉の代名詞的存在となっています。
湯畑と湯の花について
現在の湯畑は、大阪万博の「太陽の塔」をデザインし「芸術は爆発だ」の名言で知られる芸術家「岡本太郎」がデザイン・監修を担当したものです。
印象的な「湯樋(ゆどい)」と呼ばれる温泉が通る木樋は、外気にさらすことで高温すぎる湯畑の源泉を加水することなく低温化する役割に加え、「湯の花」を採集する目的も兼ねています。
湯の花というのは、源泉中の温泉成分やお湯に混じった物質が空気に触れることで生じる水に溶けにくい沈殿物のことで、非常に希少な入浴剤として利用されます。
実際、草津温泉では年に3回湯の花の採取を行っているのですが、一般に販売されるのは年間約5,000個ほどだそうですからね!
そして実は、「湯の花が採取できる」ことから「湯畑」と呼ばれるようになったと言われているのですよ!
御汲上の湯
湯畑の源泉の中をよく見ると、うっすらと木枠が沈んでいるのを見つけられると思います。
この木枠の中の湯は「御汲上の湯」と呼ばれており、なんでも「江戸幕府八代将軍の吉宗や十代将軍の家治が、この湯枠の湯を樽詰めにして江戸城へ運ばせた」という逸話が残っているそうですよ!
湯畑の周りには歴史の教科書に載っているような偉人たちの名前が刻まれた”囲い兼石碑”も立っていますから、昔から草津温泉が愛されていたことがよくわかりますね!
かつての大滝乃湯
ちなみに、源泉の泉から木樋を通った湯は最後に滝に到達するのですが、この滝の部分にはかつて「大滝乃湯」という共同湯がありました。
1960年(昭和35年)頃に取り壊されるまでは、草津で唯一番台がある「滝の湯」として人気を集めていたそうですよ!(「大滝乃湯」という名前は、現在は町営温泉施設の名にされています。)
湯畑 ライトアップについて
草津温泉の湯畑は、季節に関わらず日没から25時までライトアップをしています。
昼間の雰囲気とは異なるライトアップされた湯畑の風景は本当に幻想的。
浴衣姿でのお散歩、そして現代ならではの夜景も楽しめる、まさに日本一に相応しい、日本を代表する温泉地ですね!
湯畑へのアクセス
② 熱乃湯 湯もみショー
湯畑前に建つ大正風の和洋入り混じったような建物が、草津”第二のシンボル”「熱乃湯」です。
そしてこの熱乃湯では、草津名物の「湯もみ」が草津節や草津ゆもみ唄とともにショーとして楽しめるのです!
湯もみと草津温泉の源泉について
「湯もみ」というのは、温泉の湯温を下げるために行われていた草津ならではの伝統入浴方法です。
というのも、草津温泉では古くから「源泉主義」が掲げられており、源泉に加水や水増しをすることなく、さらに浴槽の中でも沸かし直しやお湯の循環を一切しないのです。
そのため、源泉の効用をそのまま実感できるようになり、日本有数の酸性度を誇る草津温泉のお湯ならではの殺菌作用や筋肉系への良作用、皮膚病への効果、さらには美肌効果が得られるのです!
しかし、草津温泉の源泉温度は低いところでも50℃と非常に高く、そのまま入浴することはできません。
そこで、水を入れずに湯温を下げるために行われたのが「湯もみ」なのです。
湯もみは、熱い源泉の中に六尺板を入れてかき混ぜながら入浴に最適な湯温に調節する技法で、「草津~よいとこ~一度はおいで~」で知られる「湯もみ歌」を歌いながら混ぜる姿が、今なお草津温泉の伝統として受け継がれているのですね!
湯もみショーのあとには、実際に湯もみを体験できるコーナーもあります。ショーを見るもよし、時差しに体験するもよし。日本一の温泉地の伝統にぜひ触れてみてくださいね!
(ちなみに、湯畑源泉のpH値はなんと2.1!これは1円玉を1週間で溶かしてしまうほどの酸性度なのです! この強酸性の効用から、近代にかけてハンセン病や梅毒治療の湯治場となったのですね!)
湯もみショーの観光地情報
【営業時間】
基本毎日
【公演時間】
・午前:9:30、10:00、10:30
・午後:15:30、16:00、16:30
【料金】
・大人:600円
・小学生:300円
※チケット販売は各公演開始の30分前から
熱乃湯(湯もみショー)へのアクセス
〒377-1711
群馬県吾妻郡草津町草津414
TEL:0279-88-3613
③ 白旗源泉
「白旗源泉」は、湯畑から「光泉寺」や毎年冬の時期に飾られる「草津ツリー」の方向に向かった場所にあります。
「源頼朝が発見した」という言い伝えが残る源泉で、湯畑の横に建つ共同浴場「白旗の湯」では今でも白旗源泉のお湯で入浴を楽しむことができます。
草津の主要源泉で唯一白い濁りを有しているのが白旗源泉の特徴で、入浴の機会が限られてる貴重な源泉です!
白旗の湯の観光地情報
【営業時間】
5:00〜23:00
【料金】
無料
【注意点】
鍵付きロッカーがないため、貴重品等の管理には注意が必要
白旗源泉へのアクセス
〒377-1711
群馬県吾妻郡草津町草津421
④ 西の河原通り・湯滝通り
浴衣を着たまま街を散策できるのも草津温泉の醍醐味!
そんな散策を彩るお土産屋や食事処、レトロな雰囲気のお店などが立ち並ぶのが、「西の河原通り」と「湯滝通り」になります。草津ならではのグルメを食べ歩くこともできちゃいますよ!
温泉街ならではの”レトロだけどちょっぴりモダンな大正風温泉街”を、浴衣姿であなたも楽しんでみては…!
西の河原通りへのアクセス
湯滝通りへのアクセス
⑤ 光泉寺
湯畑を見守るように山腹に佇む「光泉寺」は、真言宗豊山派の寺院になります。
光泉寺の伝説と歴史
伝説では、721年、この地を訪れた僧「行基」が薬師堂を創建したことで始まったと伝えられており、光泉寺自体は1200年(正治2年)に、当時草津を治めていた湯本氏によって白根明神の別当寺として建てられたとされています。
南北朝の争いでは南朝側につき僧兵を率いたとも記録されており、実際、護良親王や新田義貞、楠木正成といった南朝側の人物たちの神札が奉納されています。
現在では、行基が創建した「有馬温泉の温泉寺」などとともに「日本温泉三大薬師」に数えられている名刹です!
光泉寺のご利益
そんな光泉寺のご利益として知られるのが、「遅咲き如来」です!
光泉寺の釈迦堂の本尊である釈迦如来像は、東大寺の大仏殿再建に多大な貢献をもたらした「公慶上人」によって1702年(元禄15年)に造られたと伝えられていました。しかしこの話は、長い間言い伝えられた単なる伝説にすぎず、真偽はわからないままだったのです。
それが平成17年の調査で発見された文献により、真実だったと証明されたのです。伝説が300年の時を経て事実として認められたわけですね!
この「300年後に認められた」というエピソードから、光泉寺の釈迦如来像が「遅咲き如来」と呼ばれるようになったのです。
いまだ求めた結果が出ない人、長きにわたり追い続けた夢や目標がある人、さらには、かつて咲かせたものをもう一花咲かせたい人は、ぜひ光泉寺の釈迦堂でもお参りしてみてくださいね!
光泉寺の観光地情報
【拝観時間】
・境内自由散策
・社務所等は9:00〜17:00
【拝観料】
無料
光泉寺へのアクセス
〒371-1711
群馬県吾妻郡草津町草津甲446
TEL:0279-88-2224
⑥ 西の河原公園
「西の河原公園」は、草津温泉街西側一帯に湧く温泉の源泉地になります。
現在では遊歩道や足湯地などが整備され、気軽に温泉が湧出する様子を観察したり源泉のお湯で楽しむことできるようになっています。
かつては町の西側にあることから「西の河原」をそのまま「にしのかわら」と呼んでいたそうですが、近くの別の源泉である「地蔵の河原」と合わせて「賽の河原(さいのかわら)」とも呼ばれていたことから、今では「西の河原」を「さいのかわら(SAINOKAWARA)」と読んでいるとか。
公園には草津温泉一の面積を誇る広大な露天風呂「西の河原露天風呂」もあり、こちらは現代版の共同風呂として人気を集めていますよ!
西の河原露天風呂の観光地情報
【営業時間】
・4/1~11/30:7:00~20:00(最終入館は19:30)
・12/1~3/31:9:00~20:00(最終入館は19:30)
【料金】
・大人:600円
・子供:300円
西の河原公園へのアクセス
〒377-1700
群馬県吾妻郡草津町草津521-3
TEL:0279-88-7188
⑦ 射的本舗まんだら堂
「射的本舗まんだら堂」は、温泉街ならではの昔懐かしい雰囲気を感じられる射的場です。
温泉娯楽の王道である射的は、大人から子供まで誰もが楽しめる名スポット! まさに”エモい”ってやつ!
ちなみに、射的は結構難しかったです。笑
【営業時間】
10:00~22:00、基本無休
射的本舗まんだら堂へのアクセス
〒377-1711
群馬県吾妻郡草津町草津108 センターアーケード内
TEL:080-4356-0932
草津温泉の見どころ観光マップ
車なしでも大丈夫! 草津温泉へのアクセス
それではこのページの最後に、草津温泉へのアクセスをご紹介します。
電車の場合
「長野原草津口駅」へ向かい、そこからJRバスを利用する必要があります。草津温泉の温泉街へ直接電車で向かうことはできませんのでご注意ください。
・上野駅、赤羽駅、浦和駅、大宮駅、熊谷駅から「特急草津」を利用して長野原草津口駅へ
・関東各所から高崎線「高崎駅」を経由し、吾妻線で長野原草津口駅へ(時間によっては吾妻線を利用するために「高崎-新前橋」間を両毛線で移動する必要あり)
高速バスの場合
・東京駅八重洲南口、バスタ新宿、練馬駅から高速バス「上州ゆめぐり号」か「東京ゆめぐり号」利用する
・たまプラーザ駅、渋谷駅から草津温泉ホテル櫻井行きのバスを利用する
・東京駅、上野駅、大宮駅から北陸新幹線「軽井沢駅」へ向かい、草津交通バスか西武観光バスで草津へ
車の場合
【東京方面から】
・関越自動車道「渋川伊香保IC」から国道353・145号線で長野原(大津)を経由し、国道292号線を利用する
・関越自動車道「渋川伊香保IC」・上信越自動車道「碓氷軽井沢IC」・国道18号線から中軽井沢を経由し、国道146・292号線を利用する
【名古屋・大阪方面から】
・名神高速道路「小牧JCT」・中央自動車道「須玉IC」から国道141・18・146号線を経由し、長野原(大津)から国道292号線を利用する
・名神高速道路「小牧JCT」・長野自動車道「岡谷JCT」から上信越自動車道「上田菅平IC」を経由し、国道144・県道59・国道292号線を利用する
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[…] 今回は実家の埼玉から車で草津温泉へ向かいました! […]